研究課題/領域番号 |
23K21584
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補助金の研究課題番号 |
21H03288 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
米田 英正 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (00735946)
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研究分担者 |
長谷川 良平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (00392647)
佐伯 将臣 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40822292)
大山 慎太郎 名古屋大学, 未来社会創造機構, 准教授 (80768797)
岩月 克之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90635567)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 手指巧緻運動 / 脳波解析 / 事象関連電位 / 巧緻運動解析 / 動作解析 / 深層学習 / ニューロリハビリテーション / hand-eye coordination / 感覚運動統合 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
巧緻運動時の筋活動,感覚入力のフィードバック機構,動作に付随する眼球運動を4つのオリジナルタスクを用いて解析し,感覚入力から運動出力までを包括的に俯瞰可能な巧緻運動の定量化指標を開発する研究である。特に手指運動時の感覚運動統合(sensorimotor integration)や手と目の協調(hand-eye coordination),事象関連電位などの所見を利用した定量手法を開発する。その後定量化タスクを用いた地域集団での大規模調査を行う。タスク定量値,縦断的検診解析結果に対して機械学習を用い相関性の探索を行い,手指運動機能の定量的評価値を未病状態のスクリーニング手法としての応用を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は手指運動化定量タスクを複数開発し,その測定値を従来の巧緻運動評価法や患者立脚型評価と比べ,妥当性の検証や疾患特性による応答性を調査する計画である。2021年度には第一段階として巧緻動作中の筋活動のリアルタイムセンシング技術を開発した。2022年度には手指運動と脳機能の関連性を明らかにするために産総研の協力を得て,巧緻運動動作時の脳機能解析の関連性を調査した。 計測には,外的刺激への注意の瞬間に検出される事象関連電位Event Related Potential(ERP)を活用した。産総研が開発した8ch脳波計を装着し,刺激の約300m秒後に表出されるERP波形を各電極から採取し,ノイズ除去後の波形を深層学習にかけることで,呈示した注意刺激と脳波パターンとの関連性を明らかにした。産総研ではこの技術をBrain Machine Interfaceの一型として,ALS等の運動ニューロン疾患患者の意思呈示技術としても開発が進められている。本研究ではOddball課題と8つの異なる注意刺激パターンを用意して行った。この素材として巧緻運動の動作パターンである指文字を活用した。被験者には事前に見せた刺激パターンを記憶させ,同一のパターンが画面に表示されたときに「(同じパターンが)出た。表示された」と意識してもらうことで脳波に出力されるERPを調査した。また同一のパターンが出たときにボタンをクリックさせることで,手指の運動を随意的に行い,運動と感覚のクロスモーダル効果によってERPの出力に変化が生じるかどうかもまた調査した。被験者数名を用いた解析では,ERPの波形出力はどの刺激によっても生じるが同一標的パターンの表示によって振幅が大きくなり,振幅はボタンのクリックによって大幅に増強されるクロスモーダル効果があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初一般住民を対象とした市民公開講座や技術体験会を開催し,その場でボランティアを募ってデータ採取に参加してもらう計画としていた。しかし新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響を受けて,主催者より公開講座の延期の指示があり,予定していた一般ボランティアからのデータ採取が不可能となった。そこで測定技術の開発と改良を優先させることとし,研究室内の健常被験者に協力を得て計測技術を安定化させた。結果として遅れは生じたが,技術は当初予定していたものよりもかなり洗練されたものとなった。一般ボランティアの参加による計測は最終年度に行う計画とした。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように,計測技術を改良して,当初の予定を超える技術となったために,最終年度に計測会を行い,ボランティア被験者からのデータ採取を行う計画である。また刺激呈示に実際の巧緻運動パターンを含めた解析についても実現が可能かどうか同時に調査していく予定である。
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