研究課題/領域番号 |
23K24279
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補助金の研究課題番号 |
22H03018 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光医学総合研究所, 教授 (20209399)
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研究分担者 |
中村 和正 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20284507)
鈴木 千恵 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 助教 (20637285)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 放射性医薬品 / 核医学 / PET / 腫瘍 / 動物モデル / 分子標的イメージング / 放射線治療効果 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がんの放射線治療時における種々の細胞応答のうち、放射線で惹起されるDNA二重鎖切断の修復に関連する分子機構について着目し、その出発点である上皮成長因子受容体(以下、EGFR)を標的として、臨床応用可能なPETイメージングによるがん放射線治療効果予測システムの確立と併用薬の最適化を目指すことを目的とする。 そのため、多種類のがん細胞系を用いたインビトロ実験系におけるEGFR遺伝子型と放射線治療効果の関連性の評価、併用薬添加による放射線治療効果に与える影響の評価、既開発済み活性型EGFR-TK画像化用PET薬剤F-PYKの改良と耐性型変異用イメージングプローブの開発を行う。
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研究実績の概要 |
申請者らはこれまで、申請者らが開発したEGFR-TKを画像化するPET用イメージング剤であるF-PYKを用いて放射線感受性の高いがんの鑑別の可能性について、インビトロ実験を中心に示してきた。また、活性型EGFR-TK阻害剤であるゲフィチニブ処理によりS期の細胞が減少することで、その分放射線治療単独より治療効果がさらに増進することもインビトロ実験系で示してきた。すなわち、EGFR-TKを標的とする分子標的イメージング薬剤を開発し、画像化することが出来れば、一定のリスクを伴う生検を行うことなく、放射線抵抗性の程度を治療開始前に評価することが可能となり治療計画をより有効なものに出来ると期待される。そこで本研究では、がんの放射線治療により惹起されるDNA二重鎖切断の修復に関連する分子機構について着目し、臨床応用可能ながん放射線治療効果予測システムと、併用薬によるより高い放射線治療効果を得るための最適化を目指すこととした。 本年度は異なる遺伝子型のEGFRを有する3種類のヒト肺がん由来細胞株 (A549、PC9、H1975) を用い、EGFR遺伝子型と放射線感受性の関係、EGFR阻害薬と放射線との併用効果について調べることを目的として検討を行った。すなわち、細胞をそれぞれ培地に播種し、3日後に0~10GyのX線を照射して細胞を回収後細胞数を合わせて35mmディッシュに再播種した。3日後、および4日後にCCK-8アッセイにより生細胞数を評価した。 その結果、いずれも同様の結果を示したが、特に変異型EGFRを有し細胞増殖速度の遅いH1975では照射4日後の方が3日後に比べてX線照射による細胞数の低下が顕著に観察され、X線単独での治療効果はA549(野生型EGFR)>PC9=H1975であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞培養系が安定せず、複数回のやり直しをしていたことと、アッセイ系の確立をやり直したことから時間を要しているため、やや遅れていると評価した。細胞系が安定しなかった事の原因は複数考えられるが、一つ一つ確認している時間も無いので、細胞を新たに保存細胞からお越し直し、増殖速度が安定するまで繰り返した。また、培地についてもFBSを調製しなおすなど時間を要した。また、放射線に対する感受性を評価するため薬剤負荷での評価系と同様に容量反応曲線を作成する等、より正確な評価系の導入を行った事から時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、異なる遺伝子型のEGFRを有する3種類のヒト肺がん由来細胞株 (A549、PC9、H1975)を用いた検討を行っている。放射線照射はDNA二重鎖切断により殺細胞効果が期待されているが、ここにEGFR阻害効果を有する負荷を掛けた場合の影響についても検討を加える。すなわち、上記の細胞を最初に35 mm dishに播種する際に、EGFR遺伝子をノックダウンするsiRNAを添加して培養する。この際、比較としてコントロールとなるランダム配列siRNAを添加して同様に培養し、その後これまでの方法と同様に、X線照射、精細胞数の変化を追跡する。また、EGFR阻害剤であるオシメルチニブをX線照射時にdishに添加し、それぞれX線照射に与えるEGFR阻害の影響について検討する。さらに、他の数種の細胞種を追加して同様の検討を行う。 また、放射線治療時に耐性能を獲得した場合、多くの場合はT790M変異が追加される。そこで、T790M変異の特異的画像化を目的として、第三世代EGFR-TKI であるオシメルチニブを母体化合物とした新規PET用イメージングプローブの開発を計画しているので、引き続きその合成について検討を進める。
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