研究課題/領域番号 |
23K27590
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補助金の研究課題番号 |
23H02899 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
筋野 智久 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40464862)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 腸管免疫 / 炎症性腸疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌、腸管の免疫細胞のバランスの破綻は、腸管の炎症を引き起こすことは知られているが、腸管以外の臓器に影響を及ぼすことが近年明らかになっている。しかし、その詳細なメカニズムについては明らかではない。臨床においても腸の病気を有している患者さん(炎症性腸疾患)には皮膚炎、肝臓病、関節炎といった様々な症状が同時に生じることが判明しているが、治療法は定まっていない。そこで、マウス大腸炎モデル、小腸炎症モデル、さらには関節炎、皮膚炎など他疾患モデルを使用し、腸内細菌、腸管における免疫破綻が引き起こされるかを検討し、病態解明をすることにより治療法につなげる。
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研究実績の概要 |
消化管は腸内細菌抗原や食物抗原を除去しながら、過剰な免疫を抑制すると同時に免疫寛容の状態も有している。特に小腸は、多様な腸内細菌と免疫応答細胞が豊富に存在することでホメオスタシスを保っている。近年腸内細菌自身の免疫に及ぼす役割が明らかになる中、腸内細菌の代謝物の重要性、さらには腸管病変にとどまらない腸管外の病気にも関連性が見出されているが未だそのメカニズムは明らかではない。申請者は腸管における免疫細胞の1細胞レベルの時空間的解析を通じ、1細胞の局在、動態が病態により大きく変化すること、さらにその局在、動態を変容させることで炎症を抑制することに成功した。しかし、腸管を取り巻く体内、体外ミクロの環境が腸管内の免疫細胞1細胞が局在、動態を決定するかは明らかでなく、免疫細胞の時空間的制御破綻が病気の発症へ影響をあたえる機序も明らかでない。そこで、腸内細菌(代謝物)、神経伝達物質等が小腸における免疫細胞時空間的制御を行う機序を明らかにし、その制御機構の破綻が引き起こす腸管、腸管外の疾患発症機序を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では腸内細菌によるトリプトファン代謝物と腸管炎症、臓器外の炎症の一つとして脊髄炎モデルを構築した。マウス作成が順調にいき、解析が予想以上にPositiveな結果となり終了しCell Reports誌に受理された。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は腸内細菌代謝物をより詳細に調べ、腸内細菌ー代謝物の腸管に与える影響を詳細に調べる予定である。さらに腸内細菌代謝物が神経伝達物質と共通していることも見出しており、神経伝達との関連性について適切なモデルを作成して検証する。
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