本研究は多重否定文の変化からフランス語の影響を考察するために、中英語期における多重否定構文を検索ソフトTreebankを利用して、統語標識付きコーパス、the Penn-Helsinki Parsed Corpus of Middle English, Second Editonの検索、集計、分析をおこなった。その結果M1(1150-1250)ではフランス語関連のテキストの収録はなく、M2では多くがフランス語関連テキストであった。多重否定構文は先行研究でも示されているように、M2になるとne V no構文が増加し、明らかにフランス語との関連を明示することができた。
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