酵素の機能発現におけるキャビティーと水和の役割の解明

• 研究課題/領域番号: 24570186
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生物物理学
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 大前 英司 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30284152)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円); 2014年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2013年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2012年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
• キーワード: 水和 / 高圧力 / 酵素

研究成果の概要

高圧ストップドフロー分光・蛍光光度計システムを構築し、装置の性能を検証した結果、吸光度測定は十分に可能であったが、タンパク質内在性のトリプトファンによる蛍光測定はできなかった。本装置を用いて大腸菌ジヒドロ葉酸還元酵素（ecDHFR）の野生型とD27E変異体、および、深海微生物Moritella profunda DHFR（mpDHFR）の酵素化学的パラメーターの圧力依存性を測定した。その結果、ecDHFR野生型と比較してecDHFR D27E変異体とmpDHFRではKmの圧力依存性が小さく、活性部位周辺の溶媒への露出に伴う水和量の増加がDHFRの深海への適応に重要であることが示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] VUVCD spectra of aromatic and aliphatic amino acids and their derivatives (2015)
  • 著者名/発表者名: S. Tanaka, E. Ohmae, and K. Matsuo
  • 雑誌名: HiSOR Activity Report 2014 巻: なし
• [雑誌論文] Effects of salt on the structure, stability, and function of a halophilic dihydrofolate reductase from a hyperhalophilic archaeon, Haloarcula japonica strain TR-1. (2015)
  • 著者名/発表者名: Y. Miyashita, E. Ohmae, K. Nakasone, and K. Katayanagi,
  • 雑誌名: Extremophiles 巻: 19 号: 2 ページ: 479-493
  • DOI: 10.1007/s00792-015-0732-7
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 深海微生物由来ジヒドロ葉酸還元酵素の高圧力環境適応機構 (2015)
  • 著者名/発表者名: 大前英司、宮下由里奈、月向邦彦、加藤千明
  • 雑誌名: 第18回生物関連高圧研究会シンポジウム抄録集 巻: 印刷中
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Contributions of phenylalanine and tyrosine side chains to the vacuum-ultraviolet circular dichroism spectra of Escherichia coli dihydrofolate reductase (2014)
  • 著者名/発表者名: E. Ohmae, S. Tanaka, K. Matsuo, H. Namatame, M. Taniguchi, and K. Gekko
  • 雑誌名: HiSOR Activity Report 2013 巻: なし ページ: 138-139
• [雑誌論文] Thermodynamic and functional characteristics of deep-sea enzymes revealed by pressure effects (2013)
  • 著者名/発表者名: E. Ohmae, Y. Miyashita, and C. Kato
  • 雑誌名: Extremophiles 巻: 17 号: 5 ページ: 701-709
  • DOI: 10.1007/s00792-013-0556-2
  • 査読あり
• [雑誌論文] Solvent environments significantly affect the enzymatic function of Escherichia coli dihydrofolate reductase: Comparison of wild-type protein and active-site mutant D27E (2013)
  • 著者名/発表者名: E. Ohmae, Y. Miyashita, S. Tate, K. Gekko, S. Kitazawa, R. Kitahara, and K. Kuwajima
  • 雑誌名: Biocim. Biophys. Acta 巻: 1834 号: 12 ページ: 2782-2794
  • DOI: 10.1016/j.bbapap.2013.09.024
  • 査読あり
• [雑誌論文] Vacuum-ultraviolet circular dichroism of Escherichia coli dihydrofolate reductase: Insight into the contribution of tryptophan residues (2013)
  • 著者名/発表者名: Eiji Ohmae, Koichi Matsuo, Kunihiko Gekko
  • 雑誌名: Chem. Phys. Lett. 巻: 572 ページ: 111-114
  • DOI: 10.1016/j.cplett.2013.04.019
  • 査読あり
• [雑誌論文] タンパク質の構造安定性と機能における水和の役割－深海微生物由来酵素の研究からわかること－ (2013)
  • 著者名/発表者名: 大前 英司
  • 雑誌名: 高圧力の科学と技術 巻: 23 ページ: 13-20
  • NAID: 10031156143
  • 査読あり
• [学会発表] VUVCD spectra of aromatic and aliphatic amino acids and their derivatives (2015)
  • 著者名/発表者名: S. Tanaka, E. Ohmae, and K. Matsuo
  • 学会等名: The 19th Hiroshima International Symposium on Synchrotron Radiation
  • 発表場所: 東広島市
  • 年月日: 2015-03-05 – 2015-03-06
• [学会発表] １次元NMRによる深海菌ジヒドロ葉酸還元酵素の構造安定性の研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 櫻井一正，大前英司，赤坂一之
  • 学会等名: 第55回高圧討論会
  • 発表場所: 徳島市
  • 年月日: 2014-11-22 – 2014-11-24
• [学会発表] ホタルルシフェラーゼと吸入麻酔薬の相互作用様式の解明 (2014)
  • 著者名/発表者名: 西田直哉，大前英司，松木均
  • 学会等名: 第55回高圧討論会
  • 発表場所: 徳島市
  • 年月日: 2014-11-22 – 2014-11-24
• [学会発表] 結晶化タンパク質の円偏光二色性スペクトル測定 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大前英司，片柳克夫
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー2014
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 2014-10-01
• [学会発表] 高度好塩性古細菌由来ジヒドロ葉酸還元酵素の構造と機能に対する塩の効果 (2014)
  • 著者名/発表者名: 宮下由里奈，大前英司，片柳克夫，仲宗根薫
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー2014
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 2014-10-01
• [学会発表] ジヒドロ葉酸還元酵素の真空紫外円二色性スペクトルに対する芳香族側鎖の寄与 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大前英司，田中傑，宮下由里奈，松尾光一
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー2014
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 2014-10-01
• [学会発表] ジヒドロ葉酸還元酵素の真空紫外円二色性スペクトルに対する芳香族側鎖の寄与 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大前英司，田中傑，宮下由里奈，松尾光一
  • 学会等名: 日本生物高分子学会2014
  • 発表場所: 長野県上田市
  • 年月日: 2014-09-12 – 2014-09-13
• [学会発表] タンパク質の真空紫外円二色性スペクトルに対する芳香族側鎖の寄与 (2014)
  • 著者名/発表者名: 田中傑，大前英司，松尾光一，月向邦彦
  • 学会等名: 日本生物物理学会第6回中国四国支部大会
  • 発表場所: 鳥取市
  • 年月日: 2014-05-17 – 2014-05-18
• [学会発表] 高度好塩性古細菌由来ジヒドロ葉酸還元酵素の構造と機能に対する塩の効果 (2014)
  • 著者名/発表者名: 宮下由里奈，大前英司，仲宗根薫，片柳克夫
  • 学会等名: 日本生物物理学会第6回中国四国支部大会
  • 発表場所: 鳥取市
  • 年月日: 2014-05-17 – 2014-05-18
• [学会発表] 高度好塩菌由来ジヒドロ葉酸還元酵素の構造と機能に対する塩の効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 宮下 由里奈, 大前 英司, 仲宗根 薫, 楯 真一
  • 学会等名: 日本生物物理学会第５回中国四国支部大会
  • 発表場所: 香川県直島町
• [学会発表] ジヒドロ葉酸還元酵素の構造及び安定性に対する水和とキャビティーの寄与 (2013)
  • 著者名/発表者名: 西田 直哉, 大前 英司, 楯 真一
  • 学会等名: 日本生物物理学会第５回中国四国支部大会
  • 発表場所: 香川県直島町
• [学会発表] ジヒドロ葉酸還元酵素の酵素機能に対する溶液条件の効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 宮下 由里奈，大前 英司，楯 真一，月向 邦彦，北沢 創一郎，北原 亮，桑島 邦博
  • 学会等名: 第１８回生物関連高圧研究会シンポジウム
  • 発表場所: 岐阜市
• [学会発表] ジヒドロ葉酸還元酵素の構造及び安定性に対する水和とキャビティーの寄与 (2013)
  • 著者名/発表者名: 西田直哉、大前英司、楯真一
  • 学会等名: 日本生物高分子学会2013年度大会
  • 発表場所: 大阪市
• [学会発表] 高度好塩性古細菌由来ジヒドロ葉酸還元酵素の構造と機能に対する塩の効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 宮下由里奈、大前英司、楯真一、仲宗根薫
  • 学会等名: 日本生物高分子学会2013年度大会
  • 発表場所: 大阪市
• [学会発表] ジヒドロ葉酸還元酵素の酵素機能に対する溶液条件の効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大前英司、宮下由里奈、楯真一、月向邦彦、北沢創一郎、北原亮、桑島邦博
  • 学会等名: 日本生物高分子学会2013年度大会
  • 発表場所: 大阪市
• [学会発表] ジヒドロ葉酸還元酵素の構造及び安定性に対する水和とキャビティーの寄与 (2013)
  • 著者名/発表者名: 西田直哉、大前英司、楯真一
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー2013
  • 発表場所: 東広島市
  • 招待講演
• [学会発表] ジヒドロ葉酸還元酵素の酵素機能に対する溶液条件の効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大前英司、宮下由里奈、楯真一、月向邦彦、北沢創一郎、北原亮、桑島邦博
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー2013
  • 発表場所: 東広島市
• [学会発表] 高度好塩性古細菌由来ジヒドロ葉酸還元酵素の構造と機能に対する塩の効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 宮下由里奈, 大前英司, 楯真一, 仲宗根薫
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー2013
  • 発表場所: 東広島市
• [学会発表] ホタルルシフェラーゼを用いた麻酔薬相互作用様式の解明 (2013)
  • 著者名/発表者名: 西田直哉, 大前英司, 松木均
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー2013
  • 発表場所: 東広島市
• [学会発表] ジヒドロ葉酸還元酵素42位変異体の酵素機能に対する塩の効果 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮下由里奈, 大前英司, 楯真一
  • 学会等名: 日本生物物理学会 第４回 中国四国支部大会
  • 発表場所: 山口市
• [学会発表] Thermodynamic and functional characteristics of deep-sea enzymes. (2012)
  • 著者名/発表者名: E. Ohmae, C. Murakami, S. Tate, K. Gekko, K. Nakasone, K. Hata, K. Akasaka, and C. Kato
  • 学会等名: Seventh International Conference on High Pressure Bioscience and Biotechnology
  • 発表場所: 大津市
  • 招待講演
• [学会発表] タンパク質の等温圧縮率 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大前英司、月向邦彦
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー 2012
  • 発表場所: 横浜市
• [学会発表] 深海微生物由来タンパク質の構造安定性に対する水和の寄与 (2012)
  • 著者名/発表者名: 日笠山聡, 大前英司, 月向邦彦, 楯真一, 仲宗根薫, 加藤千明
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー 2012
  • 発表場所: 横浜市
• [学会発表] 高度好塩性古細菌Haloarcula japonica P2 DHFRの構造と機能に対する塩の効果 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮下由里奈, 大前英司, 楯真一, 仲宗根薫
  • 学会等名: 特殊環境微生物セミナー 2012
  • 発表場所: 横浜市
• [図書] Microbial Catalyst 2nd Ed. (Eds. S. M. Abdel-Aziz, N. Garg, A. Aeron, V. K. Gupta, C. K. Jha, and S. C. Nayak), (2015)
  • 著者名/発表者名: E. Ohmae, Y. Miyashita, and C. Kato
  • 出版者: Springer
• [図書] High Pressure Bioscience - Basic Concepts, Applications and Frontiers (Eds. K. Akasaka and H. Matsuki) (2015)
  • 著者名/発表者名: E. Ohmae, K. Gekko, and C. Kato
  • 出版者: Springer