電光文字表示器に関する聴覚障害者学生の意見を収集したところ、表示文を短くすることで表示サイクルを速めることの有効性を示す記述が4割弱でみられた。そこで、駅で表示されているダイヤの乱れに関する表示文を収集し、情報伝達上の実質的な文言のみの表示に要約したところ、文字数を平均で約3.5割省略できた。また、スクロール表示文を黙読する際の視線の動きとその際の文意の把握度を探る実験を行ったところ、聴覚障害者学生は健聴者学生に比べて、視線が速く引きずられ、文意に関する質問への正答率もやや低いなど、スクロール表示文を読解する際には、発語を伴わない場合にも、健聴者以上の苦労を伴うことを示す結果が得られた。
|