研究概要 |
本研究は,内的過程と外的過程が複雑に関係し合いながら芸術表現が創造されていく過程の解明を目指し,その第一歩として,心理・認知科学的手法と脳科学的手法を組み合わせて,即興芸術表現が生成される過程について探索的な検討を行ったものである.そのためにソロで踊る場合とペアで踊る場合など,いくつかの条件を設けて表現が生成される際の脳活動の様子を比較した.予備実験からは条件間における脳活動に差異がみられること,特にペア条件において,複雑な認知活動の表れと考えられる脳部位間の複雑な相互関係が示された.これは即興的にダンスが生成される際の複雑な認知過程を,脳科学的指標を用いて検討出来る可能性を示したものである.現在は、この結果に基づいて設定を再考した本実験を実施中である.
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