研究課題
若手研究(B)
肝臓がんでは外科的な肝切除が有効な治療であるが、広範囲に及ぶ肝切除は肝不全をもたらす可能性がある。門脈塞栓術は肝肥大を促進して肝機能を高めるので、肝切除後の肝不全を予防するために肝切除前に施行される。しかし、門脈塞栓術の分子機構はよく分かっていなかった。本研究では、門脈塞栓術の代用として門脈枝結紮をマウスに施行して、転写因子Nrf2が非結紮肝における肝増殖に貢献することを見出した。さらに、Nrf2活性化剤と事前投与すると、門脈枝結紮による肝肥大を促進する効果があることを明らかとした。よって、Nrf2活性化剤は肝切除を必要とする肝臓がん患者に有効な薬剤として利用できる可能性が示唆された。
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