研究課題
基盤研究(C)
本研究は、17世紀から18世紀の英文学において、「ティーポットに変身する女性」というイメージが頻繁に見受けられることに疑問をもったことから出発した。女性を器にたとえる伝統は聖書に始まったものであるが、消費文化が勃興しつつあったこの時代においては、紅茶や陶磁器などの贅沢な品に熱狂する女性たちの過度な情熱は性欲の表れだと思われていたことを発見した。女性と消費文化とは強く結びついていると一般的には思われている。しかし、本当に女性は本質的に貪欲なのか。女性は消費文化において主体性を確立したとしばしば言われるが、実はそれすらも男性が構築した神話であるという結論に達した。