網羅的RNAシークエンス解析を活用した卵黄抗体の輸送を担うIgY受容体の同定

• 研究課題/領域番号: 25450407
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 動物生産科学
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 村井 篤嗣 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (10313975)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円); 2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2014年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2013年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
• キーワード: 畜産物 / 卵 / ニワトリ / ウズラ / IgY / 抗体 / 受容体 / 網羅的発現解析 / 畜産学 / 応用動物

研究成果の概要

母ドリ卵黄へのIgY抗体の輸送を担う受容体の同定を目指し、ニワトリ卵胞の最内層で発現する全RNA配列を網羅的に獲得した。配列解析により9,848の既知遺伝子の転写産物の発現が確認された。この中に3種類の既知IgY受容体の転写産物が含まれていたが、それらの発現は低レベルであった。配列解析結果からのIgY受容体候補の選抜を効率化するために、IgY輸送能に特徴があるトリ集団の発掘を試みた。抗体産生能を消失したIgY欠損鶏では卵黄へのIgY輸送能が最大で3倍に亢進し、網羅的発現解析でのIgY欠損鶏の有用性が判明した。閉鎖系集団で維持されたウズラ6系統の卵黄輸送能に顕著な差は見られなかった。

研究成果

• [雑誌論文] Oral antibiotics enhance antibody responses to keyhole limpet hemocyanin in orally but not muscularly immunized chickens (2016)
  • 著者名/発表者名: Murai, A., Kitahara, K., Okumura, S., Kobayashi, M. and Horio, F.
  • 雑誌名: Anim. Sci. J. 巻: 87 号: 2 ページ: 257-265
  • DOI: 10.1111/asj.12424
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Oral antibiotics enhance antibody responses to keyhole limpet hemocyanin in orally but not muscularly immunized chickens (2015)
  • 著者名/発表者名: Murai, A., Kitahara, K., Okumura, S., Kobayashi, M. and Horio, F.
  • 雑誌名: Anim. Sci. J. 巻: 未定
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 母ドリの卵黄へのIgY 取り込みの分子基盤 (2014)
  • 著者名/発表者名: 村井篤嗣
  • 雑誌名: 栄養生理研究会報 巻: 58 ページ: 9-17
  • NAID: 40020020761
  • 査読あり
• [雑誌論文] Amino acid substitution in the Cupsilon3 domain causes either elevation or reduction of IgY uptake into egg yolks of quail (2013)
  • 著者名/発表者名: Takimoto, T., Doi, K., Kobayashi, M., Horio, F. and Murai, A.
  • 雑誌名: Veterinary Immunology and Immunopathology 巻: in press 号: 3-4 ページ: 289-297
  • DOI: 10.1016/j.vetimm.2013.03.011
  • 査読あり
• [学会発表] ニワトリ消化管におけるムチン遺伝子の発現パターンとモミ米摂取による下部消化管での発現誘導 (2016)
  • 著者名/発表者名: 村井篤嗣・上野綾子・宮元啓樹・小林美里・堀尾文彦
  • 学会等名: 日本家禽学会2016年度春季大会
  • 発表場所: 日本獣医生命科学大学
  • 年月日: 2016-03-30
• [学会発表] IgY欠損鶏の産卵形質の評価と母子免疫機構解明への活用 (2016)
  • 著者名/発表者名: 濱野貴仁・垣内美紗子・伊藤優里・小林美里・堀尾文彦・村井篤嗣
  • 学会等名: 日本畜産学会第121回大会
  • 発表場所: 日本獣医生命科学大学
  • 年月日: 2016-03-28
• [学会発表] ラットへの籾米給与は回腸特異的にムチンの産生を誘導する (2015)
  • 著者名/発表者名: 上野綾子・亀井雅世・小林美里・堀尾文彦・村井篤嗣
  • 学会等名: 日本畜産学会第120回大会
  • 発表場所: 酪農学園大学
  • 年月日: 2015-09-11
• [学会発表] 各種ウズラ系統における内因性IgY濃度の調査ならびに外因性IgYの卵黄輸送特性 (2015)
  • 著者名/発表者名: 垣内美紗子・濱野貴仁・中野幹治・松田洋一・都築政起・小林美里・堀尾文彦・村井篤嗣
  • 学会等名: 日本家禽学会2015年度秋季大会
  • 発表場所: 酪農学園大学
  • 年月日: 2015-09-10
• [学会発表] ファブリキウス嚢を除去した超低濃度IgYニワトリの産卵能力と卵黄へのIgY輸送能 (2015)
  • 著者名/発表者名: 濱野貴仁・垣内美紗子・伊藤優里・小林美里・堀尾文彦・村井篤嗣
  • 学会等名: 日本家禽学会2015年春季大会
  • 発表場所: 宇都宮大学
  • 年月日: 2015-03-30
• [学会発表] 母ドリの卵黄へのIgY取り込みの分子基盤 (2014)
  • 著者名/発表者名: 村井篤嗣
  • 学会等名: 平成26年度家畜栄養生理研究会春季集談会
  • 発表場所: 日本獣医生命科学大学
  • 年月日: 2014-05-17
  • 招待講演
• [学会発表] 鳥類の母子免疫機能の仕組み：卵黄へのIgY取り込みの分子基盤 (2014)
  • 著者名/発表者名: 村井篤嗣
  • 学会等名: 第８回JAB特別セミナー
  • 発表場所: 広島大学
  • 招待講演
• [学会発表] 組換え型ウズラIgYを用いた卵黄輸送に必要なIgYアミノ酸残基の探索 (2013)
  • 著者名/発表者名: 瀧本拓央・土井香澄・小林美里・堀尾文彦・村井篤嗣
  • 学会等名: 第１回ウズラ研究会
  • 発表場所: 名古屋大学
• [図書] 動物の栄養 第2版 (2016)
  • 著者名/発表者名: 村井篤嗣 （唐澤豊・菅原邦生 編）
  • 総ページ数: 338
  • 出版者: 文永堂出版
• [図書] 卵の特徴. ニワトリの科学 (2014)
  • 著者名/発表者名: 村井篤嗣
  • 総ページ数: 202
  • 出版者: 朝倉書店