パピローマウイルスの維持複製を抑制する宿主因子の同定と機能解析

• 研究課題/領域番号: 25860349
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: ウイルス学
• 研究機関: 国立研究開発法人国立がん研究センター
• 研究代表者: 中原 知美 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (60601177)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2014年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
• キーワード: パピローマウイルス / 持続感染 / ゲノム複製 / DNA損傷修復系 / NFｋB / プロテオソーム / 子宮頸がん / ウイルス複製 / NFkB / ATR / ヒトパピローマウイルス / ウイルスゲノム複製 / インターフェロン

研究成果の概要

子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)は、宿主である重層扁平上皮の細胞分化と連動して、ウイルスゲノム複製の様式を3段階に切り替える。本研究は、HPVゲノム複製に関与する宿主因子を同定し、ゲノム複製の切り替えメカニズムを解明することを目的とした。ウイルスDNAヘリカーゼであるE1と、宿主の主要な転写因子であるNF-κBが負のフィードバックループを形成しており、このフィードバック機構は、HPVゲノム複製の切り替えに関わることを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Interplay between NFκB/Interferon (IFN) signaling and the genome replication of human papillomavirus (2016)
  • 著者名/発表者名: Nakahara T and Kiyono T.
  • 雑誌名: Future Virology 巻: 11 号: 2 ページ: 141-155
  • DOI: 10.2217/fvl.16.2
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Activation of NF-κB by Human Papillomavirus 16 E1 Limits E1-Dependent Viral Replication through Degradation of E1. (2015)
  • 著者名/発表者名: Nakahara T, Tanaka K, Ohno S, Egawa N, Yugawa T, Kiyono T.
  • 雑誌名: Journal of Virology 巻: 89 号: 9 ページ: 5040-5059
  • DOI: 10.1128/jvi.00389-15
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] HPVゲノム複製の制御機構と発がん (2014)
  • 著者名/発表者名: 中原 知美 清野 透
  • 雑誌名: ウイルス 巻: 64 号: 1 ページ: 57-66
  • DOI: 10.2222/jsv.64.57
  • NAID: 130004922979
  • ISSN: 0042-6857, 1884-3433
• [雑誌論文] Identification of TRAPPC8 as a Host Factor Required for Human Papillomavirus Cell Entry. (2013)
  • 著者名/発表者名: Ishii Y, Nakahara T, Kataoka M, Kusumoto-Matsuo R, Mori S, Takeuchi T, Kukimoto I.
  • 雑誌名: PLoS One 巻: 8 号: 11 ページ: e80297-e80297
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0080297
  • 査読あり
• [雑誌論文] Noncanonical NOTCH signaling limits self-renewal of human epithelial and induced pluripotent stem cells through ROCK activation. (2013)
  • 著者名/発表者名: Yugawa T, Nishino K, Ohno S, Nakahara T, Fujita M, Goshima N, Umezawa A, Kiyono T
  • 雑誌名: Molecular and Cellular Biology 巻: 33(22) 号: 22 ページ: 4434-4447
  • DOI: 10.1128/mcb.00577-13
  • 査読あり
• [学会発表] HPV16の初期複製、維持複製、後期複製の切り替え機構 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中原知美、田中克行、温川恭至、清野透
  • 学会等名: 「感染、免疫、炎症、発癌」研究集会
  • 発表場所: 北海道大学遺伝子制御研究所
  • 年月日: 2015-12-18
  • 招待講演
• [学会発表] ヒトパピローマウイルスE1タンパク質の安定性を制御する機構 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中原知美、温川恭至、清野透
  • 学会等名: 第63回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 福岡国際会議場
  • 年月日: 2015-11-22
• [学会発表] ヒトパピローマウイルス16型ゲノム複製を制御するE1-NFkB負のフィードバック機構に対するE6およびE7の効果 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中原知美、田中克行、温川恭至、清野透
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場
  • 年月日: 2015-10-08
• [学会発表] ヒトパピローマウイルス16型のE1ヘリカーゼによるNFκB活性化は、E1の分解促進を介してE1依存性ウイルスゲノム複製を制限する (2014)
  • 著者名/発表者名: 中原 知美、田中 克征、温川 恭至、清野 透
  • 学会等名: 第62回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県）
  • 年月日: 2014-11-10 – 2014-11-12
• [学会発表] NFκB活性化はヒトパピローマウイルス16型のゲノム複製を抑制する (2014)
  • 著者名/発表者名: 中原 知美、田中 克征、大野 真一、温川 恭至、清野 透
  • 学会等名: 第73回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県）
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] Development of a novel HPV16 replicon that enables highly sensitive monitoring of the maintenance replication (2014)
  • 著者名/発表者名: Tomomi Nakahara, Nayagasu Egawa, Takashi Yugawa, Tohru Kiyono
  • 学会等名: 29th International Papillomavirus Conference and Clinical & Public Health Workshops
  • 発表場所: Seattle (USA)
  • 年月日: 2014-08-20 – 2014-08-25
• [学会発表] Activation of NFkB induced by human papillmavirus 16 E1 through DNA damage response limits the E1-dependent viral replication (2014)
  • 著者名/発表者名: Tomomi Nakahara, Katsuyuiki Tanaka, Shin-ichi Ohno, Takashi Yugawa, Nagayasu Egawa, Tohru Kiyono
  • 学会等名: Molecular Biology of DNA Tumor Viruses Conference
  • 発表場所: Madison (USA)
  • 年月日: 2014-07-21 – 2014-07-26
• [学会発表] ヒトパピローマウイルス16型のゲノム複製に関与する宿主因子の解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中原 知美、田中 克征、大野 真一、温川 恭至、清野 透
  • 学会等名: 第72回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
• [学会発表] レポーター遺伝子を搭載したヒトパピローマウイルス16型(HPV16)ゲノムの作製と評価 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中原 知美、江川長靖、大野真一、温川恭至、清野透
  • 学会等名: 第61回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 神戸国際会議場
• [備考] ヒトパピローマウイルスの生活環に基づく子宮頸がん発症機構の解析
  • URL: http://www.nccri.ncc.go.jp/s003/010/010/20151220124026.html