研究課題
基盤研究(A)
国立天文台野辺山45m電波望遠鏡に搭載し、天空上の109点の100GHz帯の連続波電波を同時に観測可能な高感度超伝導電波カメラ(MKID)の開発を行った。従来のTESボロメータカメラに比べて、1本の読出線・回路で数100素子を同時に読み出せること、素子の歩留まりが80%以上と高いこと、ダイナミックレンジが高いので強度較正装置が使えるという大きな利点がある。また科学観測に向けて、遠方銀河のダスト放射を複数周波数で観測した場合の銀河の距離(赤方偏移)やダストの物理量(温度、光度)の測定精度の検討を行った。今後この観測システムで「あかり」北極域の大規模掃天観測を行う。
現在、遠方銀河は可視光での観測が多いが電波で銀河のダスト放射を観測して得られる銀河の数の方が数倍~十倍も多く、また宇宙での星形成史も大きく異なっている。可視光で見えない銀河が圧倒的に多いのである。開発した野辺山45m電波望遠鏡+MKID電波カメラの高感度広域掃天観測システムは遠方(z>7)の赤方偏移した銀河ダストの放射の検出に威力を発揮する。また開発した技術によりテラヘルツ波を含めて100GHz以上の他の周波数の連続波電波カメラの開発に応用できて、将来の南極テラヘルツ望遠鏡用の1万素子や20万素子の超大規模電波カメラの開発を可能とするものである。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件)
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