研究課題/領域番号 |
26440241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
安井 行雄 香川大学, 農学部, 准教授 (30325328)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 雌の多回交尾の進化 / bet-hedging / 両賭け / 危険分散 / 性選択 / polyandry / evolution |
研究成果の概要 |
一般に雄は多くの雌と交尾するほど多くの子供を残せるが、雌は複数の雄と交尾しても子供を増やすことはできない。しかし多くの動物で雌は複数の雄と交尾する。この「雌の多回交尾」の進化は進化生態学の重要な研究課題である。 本研究では従来あまり有効でないとみなされてきた両賭け(bet-hedging)仮説を、メタ個体群構造を取り入れた新しい視点から再検討した。コンピュータシミュレーションモデルと解析的数理モデルの両者が、bet-hedgingによる多回交尾の進化の必要条件は、集団中に完全な繁殖失敗をもたらす雄が一定頻度存在し、かつ雌の交尾機会が限られていることであるという結論を導いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により雌の多回交尾は雄原因による繁殖失敗やそれによる家系の絶滅を回避するための危険分散であることが示された。雌の多回交尾は動物の適応戦略にとどまらない。「雄は無差別に交尾したがり雌は控えめで子育てに励む、しかし子供が増えるわけでないのに浮気もする」というのは人間にもみられる傾向である。したがってこの性質は文化や宗教などによって後天的に植え付けられたものではなく、ヒトの生物学的背景human natureを暗示している。ただし人間の行動は遺伝子の指令によって突き動かされるよりも個人的な感情に裏打ちされた意識的なものであり、本研究は人間の浮気や不倫を正当化する科学的根拠を与えるものではない。
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