研究課題
若手研究(A)
上皮細胞は組織から脱落してその生涯を閉じる。私たちは、この細胞脱落の分子機構を明らかにする目的で、 哺乳類培養細胞とショウジョウバエの生体上皮を用いて解析を行い、以下の2つの新規現象を見出した。 1. 上皮組織のバリア機能を維持したまま組織から細胞を効率よく脱落させるため、秩序だった細胞接着の動態変化がおこること 2. 脱落する細胞は、脱落を実行しながらその細胞側面を断片化し、これを隣接細胞が貪食すること。これらの2つの現象は、いずれも脱落細胞と隣接細胞の相互作用によるもので、本研究の成果は細胞社会における細胞死の理解に貢献する。
上皮細胞の細胞終焉である細胞脱落は、腸管や気道などの上皮組織において恒常性の維持に重要な役割を果たしており、この機構の破綻は炎症や癌などの様々な疾患に関連すると考えられる。本研究は、細胞脱落において細胞同士が接着する状態の変化がおこること及び、脱落する細胞がその実行過程で細胞の一部を断片化し、その断片を隣接する健康な細胞が貪食することの、二つの新規プロセスを見出した。これらは、いずれも脱落細胞と隣接細胞の相互協調作用によって担われる細胞脱落の本質的過程であり、本研究成果は、様々な上皮疾患の理解に新たな側面から道を拓くことが期待される。
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