研究課題/領域番号 |
26770102
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
関 良子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (10570624)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2014年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ヴィクトリア朝 / 詩学 / 懐古主義 / 中世主義 / ヴィクトリアニズム / William Morris / Walter Pater / Matthew Arnold / 文学論 / 英米文学 |
研究成果の概要 |
本研究では、19世紀英国の詩および詩論に表出される歴史観を、懐古主義と同時代主義のダイナミズムの中で検証した。従来、この歴史観は中世主義・中世趣味の概念のもとに検討される傾向にあったが、それゆえ前後の時代を扱う詩や詩論は看過される傾向にあった。本研究ではそれらを含めた歴史観を「懐古主義」と捉え、古典詩の翻訳をめぐる議論やペイターのルネサンス論も検討の範囲に入れ、研究を行った。その結果、懐古主義には同時代への関心も多く含まれることが判明した。また、19世紀歴史学での歴史観と懐古主義とを比較検討することで、19世紀英国詩人らも、当時の歴史学者らと同様の問題意識を有していたことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、中世文学研究の延長でこれまで考察されてきた中世主義と、ヴィクトリア朝文学研究の一側面としてこれまで認識されてきた19世紀文学における歴史観について、「同時代主義と懐古主義の間の相克」というダイナミズムの中で吟味した。 文学や文化に表出される歴史認識は、当時の文人らの精神に歴史がどのようにかかわっていたかを表すものであり、記録される歴史には残されない情報も含まれる。本研究は、そのような文人らの歴史観を「懐古主義」の中に見出し、彼らがその概念にどのような価値観を付加していたかを解明することにより、ヴィクトリア朝文学・文化における歴史観をめぐる研究動向に寄与するものである。
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