RNAの構造変化に基づくポリアミンによる細胞増殖促進・生存率維持の機序解明

• 研究課題/領域番号: 26860044
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 生物系薬学
• 研究機関: 千葉科学大学
• 研究代表者: 照井 祐介 千葉科学大学, 薬学部, 准教授 (60433687)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2014年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
• キーワード: ポリアミン / 細胞増殖 / 細胞生存率 / 翻訳 / 酸化ストレス / CR配列 / 大腸菌 / 動物細胞 / グルタチオン / SoxR / GshA / eEF1A / SD配列

研究成果の概要

ポリアミンは、主としてRNAと相互作用し細胞増殖因子として働く。ポリアミンにより、翻訳レベルで合成促進をうける細胞増殖や生存率維持に必要な蛋白質をコードする遺伝子群は、ポリアミンモジュロンと命名されている。大腸菌では酸化ストレス下、真核細胞では細胞増殖に関わる蛋白質を同定し、ポリアミンの細胞増殖・生存率維持に果たす役割を明確にした。
大腸菌における酸化ストレスの除去に関して、ポリアミンはSoxR、EmrR及びGshAを翻訳レベルで合成促進し、生存率維持に寄与することを明らかにした。真核細胞の翻訳伸長因子eEF1A遺伝子をポリアミンモジュロンと同定し、eEF1Aの合成促進機構を解明した。

研究成果

• [雑誌論文] Three members of polyamine modulon under oxidative stress conditions: Two transcription factors (SoxR and EmrR) and a glutathione synthase enzyme (GshA) (2015)
  • 著者名/発表者名: Sakamoto, A., Terui, Y., Yoshida, T., Yamamoto, T., Suzuki, H., Yamamoto, K., Ishihama A., Igarashi, K. and Kashiwagi, K.
  • 雑誌名: PLoS ONE 巻: 10 号: 4 ページ: e0124883-e0124883
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0124883
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] ポリアミンによる蛋白質合成促進 (2015)
  • 著者名/発表者名: 照井祐介
  • 雑誌名: ポリアミン 巻: 2(2) ページ: 46-53
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Polyamine stimulation of eEF1A synthesis based on the unusual position of a complementary sequence to 18S rRNA in eEF1A mRNA. (2015)
  • 著者名/発表者名: Terui, Y. et al.
  • 雑誌名: Amino Acids 巻: 47 号: 2 ページ: 345-356
  • DOI: 10.1007/s00726-014-1867-z
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Antibacterial effects of protruding and recessed shark skin micropatterned surfaces of polyacrylate plate with a shallow groove. (2014)
  • 著者名/発表者名: Sakamoto A., Terui Y., Horie C., Fukui T., Masuzawa T., Sugawara S., Shigeta K., Igarashi K., and Kashiwagi K.
  • 雑誌名: FEMS Microbiol. Lett. 巻: 361 号: 1 ページ: 10-16
  • DOI: 10.1111/1574-6968.12604
  • 査読あり
• [学会発表] ポリアミンによる核酸の脱プリン反応の抑制効果 (2016)
  • 著者名/発表者名: 遠藤正俊, 照井祐介, 坂本明彦, 吉田健人, 大島泰郎, 五十嵐一衛, 柏木敬子
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
  • 年月日: 2016-03-26
• [学会発表] ポリアミン代謝の抑制はアクロレイン毒性の軽減に関わる (2015)
  • 著者名/発表者名: 植村武史, 中村瑞穂, 坂本明彦, 照井祐介, 富取秀行, 柏木敬子, 五十嵐一衛
  • 学会等名: BMB2015
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド
  • 年月日: 2015-12-01
  • 国際学会
• [学会発表] 脳梗塞時NMDA 受容体により流入するCa2+による毒性物質アクロレインの産生 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中村瑞穂, 斎木遼太郎, 植村武史, 坂本明彦, 朴恵林, 西村和洋, 照井祐介, 戸井田敏彦, 柏木敬子, 五十嵐一衛
  • 学会等名: BMB2015
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド
  • 年月日: 2015-12-01
  • 国際学会
• [学会発表] Preparation of poly-ion complex generated from chondroitin sulfate and polyamines and its effect on oral bioavailabity. (2015)
  • 著者名/発表者名: Ge D., Higashi K., Ito D., Terui Y., Nagano K., Ishikawa R., and Toida T.
  • 学会等名: 日本ポリアミン学会第7回年会
  • 発表場所: 京都工芸繊維大学６０周年記念館
  • 年月日: 2015-11-13
• [学会発表] スペルミジン構造類似体の大腸菌の細胞増殖に果たす役割 (2015)
  • 著者名/発表者名: 吉田健人, 大川翼, 坂本明彦, 高尾浩一, 杉田義昭, 照井祐介, 五十嵐一衛, 柏木敬子
  • 学会等名: 日本ポリアミン学会第7回年会
  • 発表場所: 京都工芸繊維大学６０周年記念館
  • 年月日: 2015-11-13
• [学会発表] 脳梗塞時NMDA 受容体により流入するCa2+によるポリアミン代謝 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中村瑞穂, 植村武史, 斎木遼太郎, 坂本明彦, 朴恵林, 西村和洋, 照井祐介, 戸井田敏彦, 柏木敬子, 五十嵐一衛
  • 学会等名: 日本ポリアミン学会第7回年会
  • 発表場所: 京都工芸繊維大学６０周年記念館
  • 年月日: 2015-11-13
• [学会発表] NMR法によるRMF mRNAの翻訳制御領域とスペルミジンの相互作用解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 佐原潤平, 照井祐介, 五十嵐一衛, 柏木敬子, 河合剛太
  • 学会等名: 日本ポリアミン学会第7回年会
  • 発表場所: 京都工芸繊維大学６０周年記念館
  • 年月日: 2015-11-13
• [学会発表] スペルミジン構造類似体による大腸菌の増殖促進効果 (2015)
  • 著者名/発表者名: 吉田健人, 大川翼, 坂本明彦, 高尾浩一, 杉田義昭, 照井祐介, 五十嵐一衛, 柏木敬子
  • 学会等名: 「ポリアミンと核酸の共進化」第14回合同シンポジウム
  • 発表場所: 東京慈恵会医科大学 西新橋校
  • 年月日: 2015-09-12
• [学会発表] ヘパリンとスペルミンの相互作用に基づくポリイオンコンプレックスの形成とその物性評価 (2015)
  • 著者名/発表者名: 伊藤大地, 東恭平, 葛丹, 照井祐介, 戸井田敏彦
  • 学会等名: 「ポリアミンと核酸の共進化」第14回合同シンポジウム
  • 発表場所: 東京慈恵会医科大学 西新橋校
  • 年月日: 2015-09-12
• [学会発表] RMF mRNAの翻訳制御領域とスペルミジンの相互作用解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 佐原潤平, 照井祐介, 大津舞菜, 五十嵐一衛, 柏木敬子, 河合剛太
  • 学会等名: 「ポリアミンと核酸の共進化」第14回合同シンポジウム
  • 発表場所: 東京慈恵会医科大学 西新橋校
  • 年月日: 2015-09-12
• [学会発表] Effects of a CR sequence in mRNA and polyamines on protein synthesis. (2015)
  • 著者名/発表者名: Sakamoto A., Terui Y., Yoshida T., Igarashi K. and Kashiwagi K.
  • 学会等名: Gordon Research Conference on Polyamines
  • 発表場所: Waterville Valley, NH, USA
  • 年月日: 2015-06-14
  • 国際学会
• [学会発表] Role of polyamines under oxidative stress conditions in Escherichia coli. (2015)
  • 著者名/発表者名: Yoshida T., Sakamoto A., Terui Y., Yamamoto T., Yamamoto K., Ishihama A., Suzuki H., Igarashi K., and Kashiwagi K.
  • 学会等名: Gordon Research Conference on Polyamines
  • 発表場所: Waterville Valley,9 NH, USA
  • 年月日: 2015-06-14
  • 国際学会
• [学会発表] Polyamines protect nucleic acids against thermal depurination. (2015)
  • 著者名/発表者名: Terui Y.,. Sakamoto A., Yamamoto K., Oshima T., Igarashi K., and Kashiwagi K.
  • 学会等名: Gordon Research Conference on Polyamines
  • 発表場所: Waterville Valley, NH, USA
  • 年月日: 2015-06-14
  • 国際学会
• [学会発表] ポリアミンによる大腸菌の生理機能の調節 (2015)
  • 著者名/発表者名: 照井祐介, 五十嵐一衛, 柏木敬子
  • 学会等名: 日本農芸化学会2015年度大会
  • 発表場所: 岡山大学津島キャンパス
  • 年月日: 2015-03-26 – 2015-03-29
  • 招待講演
• [学会発表] ポリアミンにより翻訳レベルで合成促進される翻訳伸長因子eEF1Aの促進機構解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 吉田健人, 照井祐介, 坂本明彦, 笠原拓馬, 富取秀行, 五十嵐一衛, 柏木敬子
  • 学会等名: 日本薬学会第135年会
  • 発表場所: 神戸学院大学
  • 年月日: 2015-03-25 – 2015-03-28
• [学会発表] 新規アクロレイン毒性軽減Neuro2a (Neuro2a-ATD2) 細胞の毒性軽減機序 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中村瑞穂, 植村武史, 坂本明彦, 照井祐介, 富取秀行, 柏木敬子, 五十嵐一衛
  • 学会等名: 日本薬学会第135年会
  • 発表場所: 神戸学院大学
  • 年月日: 2015-03-25 – 2015-03-28
• [学会発表] ポリアミンによるeIF1A蛋白質合成促進機構 (2015)
  • 著者名/発表者名: 坂本明彦, 照井祐介, 吉田健人, 笠原拓馬, 富取秀行, 五十嵐一衛, 柏木敬子
  • 学会等名: 日本ポリアミン学会第6回年会
  • 発表場所: 東京海洋大学品川キャンパス楽水会館
  • 年月日: 2015-01-19 – 2015-01-20
• [学会発表] 新規アクロレイン毒性軽減細胞の単離と解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 植村武史, 中村瑞穂, 坂本明彦, 照井祐介, 富取秀行, 柏木敬子, 五十嵐一衛
  • 学会等名: 日本ポリアミン学会第6回年会
  • 発表場所: 東京海洋大学品川キャンパス楽水会館
  • 年月日: 2015-01-19 – 2015-01-20
• [学会発表] 尿中アクロレイン代謝物3-HPMAの簡易測定法の開発 (2014)
  • 著者名/発表者名: 坂本明彦, 照井祐介, 富取秀行, 吉田 円, 五十嵐一衛, 柏木敬子
  • 学会等名: 第87回日本生化学会大会
  • 発表場所: 国立京都国際会館
  • 年月日: 2014-10-15 – 2014-10-18
• [学会発表] 酸化ストレス下におけるポリアミンの生理機能解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 吉田健人, 坂本明彦, 照井祐介, 山本 拓, 山本兼由, 石浜 明, 鈴木秀之, 五十嵐一衛, 柏木敬子
  • 学会等名: 第87回日本生化学会大会
  • 発表場所: 国立京都国際会館
  • 年月日: 2014-10-15 – 2014-10-18
• [学会発表] Polyamine stimulation of protein synthesis in both prokaryotes and eukaryotes. (2014)
  • 著者名/発表者名: Igarashi, K., Terui, Y., Sakamoto, A., Kashiwagi, K.
  • 学会等名: Third International Conference on Polyamines: Biochemical, Physiological and Clinical Perspectives
  • 発表場所: Itamambuca Eco Resort
  • 年月日: 2014-08-31 – 2014-09-05
• [学会発表] 尿中アクロレイン代謝物3-HPMAの簡易測定法の検討. 「ポリアミンと核酸の共進化」 (2014)
  • 著者名/発表者名: 中田貫太, 坂本明彦, 萩田啓暉, 照井祐介, 富取秀行, 吉田 円, 五十嵐一衛, 柏木敬子
  • 学会等名: 「ポリアミンと核酸の共進化」第13回合同シンポジウム
  • 発表場所: 東京慈恵会医科大学 西新橋校 西講堂
  • 年月日: 2014-06-28
• [学会発表] スペルミジンとRMF mRNAの翻訳制御領域の相互作用解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 木村勇斗, 照井祐介, 柳田明日美, 五十嵐一衛, 柏木敬子, 河合剛太
  • 学会等名: 「ポリアミンと核酸の共進化」第13回合同シンポジウム
  • 発表場所: 東京慈恵会医科大学 西新橋校 西講堂
  • 年月日: 2014-06-28
• [図書] Polyamines, a universal molecular nexus for growth, survival and specialized metabolism (2014)
  • 著者名/発表者名: Igarashi K., Terui Y., and Kashiwagi K.
  • 総ページ数: 253
  • 出版者: Springer, Berlin, Germany
• [備考] 千葉科学大学 薬学部 病態生化学研究室 業績
  • URL: http://www.cis.ac.jp/~kkashiwagi/index.html
• [備考] 千葉科学大学 薬学部 病態生化学研究室
  • URL: http://www.cis.ac.jp/~kkashiwagi/