研究成果の概要 |
乳癌におけるHSD3B1発現の臨床的意義に関しては未だ十分に解析されておらず,今回の解析を行った.未治療の乳癌161検体を用いHSD3B1発現を免疫染色法にて評価,各種臨床病理学的因および予後との関連につき解析した.HSD3B1高発現群は低発現群と比較し,有意に若年傾向,腫瘍浸潤径が小さい,非浸潤癌が多い,リンパ管侵襲陰性例が多いなどの特徴を認めた.予後の解析ではHSD3B1高発現群は低発現群と比較して有意に良好で,多変量解析においてもHSD3B1発現は独立した予後因子であった.HSD3B1が乳癌における予後因子であることが初めて見いだされたのは大変興味深い.
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