本研究では、(1)高齢者の転倒要因の抽出、(2)転倒の新しい概念モデル作成を目的とした。課題1では、高齢者78名を転倒群と非転倒群に分け、運動機能評価を横断的に調査した。課題2では、高齢者76名を対象とし、構造方程式モデリングによって転倒に関する要因の相互関係を検討した。その結果、高齢者の転倒には下肢の敏捷性、その背後に潜在する移動能力には下肢筋力とバランス能力が直接的に関連する要因であることが示唆された。最終モデルにおいて、高齢者の転倒に関連する要因の相互関連性をパス・ダイアグラムとして視覚化した(GFI:0.98、AGFI:0.94、RMSEA:0.00)。
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