腫瘍組織における熱ショックタンパク質Hsp105の発現亢進とその癌悪性化誘導

• 研究課題/領域番号: 26870701
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 腫瘍診断学; 生物系薬学
• 研究機関: 京都薬科大学
• 研究代表者: 齊藤 洋平 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (90411032)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2014年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
• キーワード: 熱ショックタンパク質 / 腫瘍マーカー / 核内発現 / Hsp105 / Hsp70 / Stat3 / HIF-1

研究成果の概要

本研究では、肺などの扁平上皮癌組織におけるHsp105の核内高発現を明らかにした。培養細胞レベルの解析により、Hsp105が核内に発現し、癌悪性化に関わるタンパク質の発現や活性化に寄与することが明らかになった。抗癌剤処理によりHsp105の核内発現が増加し、Hsp105の発現抑制により抗癌剤感受性が増加した。今後さらに動物モデルや臨床検体を用いて検証する必要があるが、Hsp105を標的とした治療や診断への応用が期待される。

研究成果

• [雑誌論文] Requirement of Hsp105 in CoCl2-induced HIF-1α accumulation and transcriptional activation (2017)
  • 著者名/発表者名: Mikami H, Saito Y, Okamoto N, Kakihana A, Kuga T, Nakayama Y
  • 雑誌名: Experimental Cell Research 巻: 352 号: 2 ページ: 225-233
  • DOI: 10.1016/j.yexcr.2017.02.004
  • 査読あり
• [雑誌論文] Yeast two-hybrid and one-hybrid screenings identify regulators of hsp70 gene expression (2016)
  • 著者名/発表者名: Saito Y, Nakagawa T, Kakihana A, Nakamura Y, Nabika T, Kasai M, Takamori M, Yamagishi N, Kuga T, Hatayama T, Nakayama Y.
  • 雑誌名: Journal of Cellular Biochemistry. 巻: in press 号: 9 ページ: 2109-2117
  • DOI: 10.1002/jcb.25517
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Nmi interacts with Hsp105beta and enhances the Hsp105beta-mediated Hsp70 expression (2014)
  • 著者名/発表者名: Saito Y, Yukawa A, Matozaki M, Mikami H, Yamagami T, Kuga T, Yamagishi N, Hatayama T, Nakayama Y
  • 雑誌名: Experimental Cell Research 巻: 327 号: 1 ページ: 163-170
  • DOI: 10.1016/j.yexcr.2014.07.023
  • 査読あり
• [学会発表] HIF-1の蓄積および転写活性化にはHsp105が必要である (2017)
  • 著者名/発表者名: 三上大貴、齊藤洋平、岡本菜美子、久家貴寿、中山祐治
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2017-03-24
• [学会発表] 熱ショックタンパク質Hsp105αの核局在化と抗がん剤抵抗性への寄与 (2016)
  • 著者名/発表者名: 齊藤洋平、山根鉄平、島田雅史、加藤圭穂、久家貴寿、中山祐治
  • 学会等名: 第39回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2016-11-30
• [学会発表] Hsp70誘導および温熱感受性におけるサイトカインシグナル伝達系転写因子Stat3の関与 (2016)
  • 著者名/発表者名: 齊藤洋平, 的崎雅史, 湯川明久, 多田円香, 久家貴寿, 中山祐治
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2016-03-26
• [学会発表] 抗がん剤抵抗性に及ぼすHsp105αの核局在化の関与 (2016)
  • 著者名/発表者名: 齊藤洋平、山根鉄平、島田雅史、加藤圭穂、久家貴寿、中山祐治
  • 学会等名: 第63回 日本生化学会 近畿支部例会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 低酸素誘導因子HIF-1の発現および転写活性化における熱ショックタンパク質Hsp105の関与 (2016)
  • 著者名/発表者名: 三上大貴、齊藤洋平、久家貴寿、中山祐治
  • 学会等名: 第66回 日本薬学会近畿支部総会・大会
  • 発表場所: 大阪
• [学会発表] 熱ショックによるサイトカインシグナル伝達系転写因子Stat3の活性化 (2015)
  • 著者名/発表者名: 齊藤洋平, 的崎雅史, 湯川明久, 多田円香, 久家貴寿, 山岸伸行, 中山祐治
  • 学会等名: BMB2015 第38回日本分子生物学会年会／第88回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] 齊藤洋平、湯川明久、的崎雅史、三上大貴、山岸伸行、久家貴寿、中山祐治 (2015)
  • 著者名/発表者名: NmiによるStat3活性化を介したHsp70発現誘導
  • 学会等名: 日本薬学会第135年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2015-03-26 – 2015-03-28
• [学会発表] 熱ショックタンパク質Hsp105のアドリアマイシンによる核局在化メカニズム (2014)
  • 著者名/発表者名: 山根鉄平, 齊藤洋平, 島田雅史, 加藤圭穂, 久家貴寿, 山岸伸行, 中山祐治
  • 学会等名: 第37回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2014-11-25 – 2014-11-27
• [学会発表] Nmi enhances the Hsp105β-mediated Hsp70 expression through the Stat signaling pathway (2014)
  • 著者名/発表者名: Youhei Saito, Akihisa Yukawa, Masashi Matozaki, Hiroki Mikami, Nobuyuki Yamagishi, Takahisa Kuga, Yuji Nakayama
  • 学会等名: 第37回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2014-11-25 – 2014-11-27