研究成果の概要 |
本研究において, 対数的標準束の正値性が境界において真に退化している準射影代数多様体上で, 負のリッチ曲率を持つ完備ケーラー・アインシュタイン計量の境界挙動を考察した. そして境界が一般型である場合に, 境界に接する方向では特異ケーラー・アインシュタイン計量に漸近することを示した. この収束は境界全体ではカレントとして, 標準束の豊富集合上では滑らかな意味で従う. また境界がリッチ平坦である場合にも考察し, その典型例である複素双曲多様体のトロイダルコンパクト化に対しては, 境界に接する方向では0に滑らかに漸近することを得た.
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