研究分担者 |
青柳 宏一 石油資源開発(株), 技術研究所, 次長
多田 隆治 東京大学, 理学部, 助手 (30143366)
岡田 尚武 山形大学, 理学部, 助教授 (80111334)
的場 保望 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (30006663)
高柳 洋吉 東北大学, 理学部, 教授 (70004299)
AOYAGI KOICHI TECHNOLOGICAL INSTITUTE, JAPAN PETROLEUM EXPLORATION COMPANY
西村 年晴 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00011750)
相田 吉昭 秋田大学, 鉱山学部, 講師 (90167768)
丸山 俊明 東北大学, 理学部, 助手 (70165950)
佐藤 誠司 北海道大学, 理学部, 講師 (30000813)
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研究概要 |
1.青森県鯵ヶ沢・五所河原・下北半島北東部・七戸4地域において, 新第三紀珪質岩層の岩相・微化石(珪藻・放散虫・石灰質ナンノ化石・有孔虫・花粉)層序を確立した. この結果, 青森県を横断する正確な層序対比が可能になった. 2.鯵ヶ沢地域黒埼川ルートと大童子層基底部の厚さ7.3mの海緑石層は330万年の期間を示すことが, 珪藻・放散虫層序から明らかになった. 海緑石層の堆積速度は約45万年/mである. 3.層厚と微化石年代尺度から, 珪質岩層の堆積率を算出した. 化学分析の結果と併せ考えると, 青森県の中期中新世〜鮮新世の珪質生物の生産量はほぼ一定であり, 堆積率の大小は混在する陸源砕屑物の流入量に制約される. 4.鯵ヶ沢地域の大童子層, 五所河原地域の長根層, 七戸地域の四ツ沢層, 下北北東部地域の蒲野沢層C部層の各珪質岩には, mm級の葉理が発達する. 富シリカ淡色葉理と貧シリカ暗色葉理の1対が年周期を表わすことが明らかになったが, その成因は検討を要する. 5.珪質岩の稀土類元素分布形態は陸源砕屑物の強い影響を示している. ウラン含有量も数〜10数ppmと低い. 6.各地域のシリカ沸石・粘土鉱物の埋没続成帯が明らかにされた. 下北北東地域の蒲野沢層は, 更新統浜田層基底の不整合により, 約900m削剥されている. 7.炭酸塩岩団塊の形成深度が差別圧密と酸素安定同位体比とから推定された. また, 鯵ヶ沢・五所河原両地域の団塊のなかには, 高マンガン量と軽い酸素比から低温熱水の影響が考えられる. 8.東北本州弧および北陸の新第三系を5期間に分け, 各期の海陸分布と堆積盆の古環境図を作製した. 女川層をはじめ, 珪質頁岩層が最も広く分布した中期中新世の堆積盆は, 東縁は阿武隈・北上両地の西縁に限られ, 西縁は男鹿半島〜佐渡〜能登半島を連ねる縁の西側に存在した, 少くも一部は陸の高まりで限られていた, 巾約200km前後の細長い形をしていた.
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