研究分担者 |
大島 尚 東洋大学, 社会学部, 講師 (20114415)
山本 豊 帝京大学, 文学部, 助教授 (40134423)
二木 宏明 東京大学, 文学部, 教授 (10073074)
中谷 和夫 東京大学, 文学部, 教授 (00026816)
鳥居 修晃 東京大学, 教養学部, 教授 (50015012)
津崎 実 東京大学, 文学部, 助手 (60155356)
石口 彰 東京大学, 文学部, 助手 (10184508)
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配分額 *注記 |
23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1985年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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研究概要 |
本研究は認知情報処理の動的特性に関する心理学的研究である. 従来の認知情報処理の研究は主として定常的刺激を用い, また知覚過程, 反応過程, 学習過程を別々に研究することが多かった. 本研究では, 運動変化を続ける刺激を実験室内に再現し, それに対する知覚, 情報処理, 反応機制, 学塾過程を実験心理学ならびに生理心理学的手法により追求した. 以下にその研究成果の概要を報告する. 1.仮現運動事態で, 色, 形, 大きさ, 奥行きの変化に対する, それらのどの属性を恒常に知覚する傾向が強いかを実験的に比較検討した. 2.運動光点を用い, 運動情報による形態の知覚について, 特にBio-mechanical Motionの局所的メカニズムに注目し, その実験的研究を行った. 3.聴覚における動的事態の例として周波数の連続変化条件を取り上げ, いわゆるmising fundamentalの問題を実験的に検討した. 4.ダイナミックな相貌認知の成立過程に関し, 輪郭線情報の有効性について検討した. 5.観察反応の維持に関する情報仮説と条件性強化仮説とを, サルを用いて, 負の弁別刺激のみを与える実験事態で検討した. 6.生理心理学的方法を用いて, サルの注視反応に見られの空間的情報処理のメカニズムを, 特に帯状回の応答に注目して検討した. 7.脳損傷者の, 両眼視と奥行き知覚機能の障害とその回復過程を追求し障害者と健常者の比較を通して認知情報処理の解明に迫った. 8.知覚の初期段階に関する並列分布処理モデルについて考察し, ダイナミックな奥行き知覚あるいは方向知覚についてシミュレーションがなされた. 以上の成果は, まだ総合的結論を得るに至ってないが, 多くの重要な知見と有益な示唆が得られたと思う.
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