配分額 *注記 |
25,600千円 (直接経費: 25,600千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
1985年度: 15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
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研究概要 |
(I)光パルス励起により副準位コヒーレンスを生成し, 光学的異方性を利用して検出することを基礎原理とした量子ビード型の新しい磁気共鳴の研究を行った. (1)同期量子ビートエコー法を確立し, Cs,Na原子について基礎的実験を行った. CsについてはD_1に同調した半導体レーザーを用い, 出力に変調周波数が磁気共鳴周波数に等しいような強度変調を加え, 有限長の円偏光励起を二度行うことにより, 基底状態のゼーマン遷移に対するスピンエコーを觀測することに成功した. Naについてはモードロック色素レーザーを用い, 同様の実験を行いゼーマン共鳴(100MHz)長微細準位共鳴(1.8GHz)に対するエコー信号を検出した. 何れについても均一暖和時間等が求められた. (2)直線偏光の強度変調光による励起を用いて, 禁止推移△m=2に対するコヒーレンスの励起を行い, Free Inducttion Decay信号の觀測に成功した. (3)△m=2コヒーレンスを用いてg因子の符号を光学的に決定する新しい方法を考案した. (II)通常の磁気共鳴法では測定の困難な短い(〜10ns)スピン格子談話時間, 1:1交差談話時間の測定をベンジル, Tm^<2+>:SvF_2について光学的方法を用いて行った. (III)Tm^<2+>:SvF_2の光励起状態(^2F_<5/2>,E_<5/2>)の低磁場ESRを光学的に検出し, スピンメモリー, 交差暖和について新しい知見を得た. またこの状態のgの符号が負であることを実験的に確認した. (IV)Pr^<3+>:LaF_3の^3H_4-^1D_2光遷移について, holekuring, 各種光エコー, 基底状態及び光励起状態の磁気共鳴のラマンヘテロダイン検出を行い, スピンエコー信号の光照射による増強, 暖和時間の異常な延長等の従来全く知られていなかった新しい現象を見出し, また双晶構造の最初の実験的確認, ラマンヘテロダイン信号の磁場反転に対する対称性の解明を行った.
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