配分額 *注記 |
24,200千円 (直接経費: 24,200千円)
1987年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1985年度: 16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
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研究概要 |
本研究は生体表面の温度分布図であるサーモグラムから, 温度調節と深い関係にある末梢血流と自律神経系およびそれに関係ある痛みの情報を画像化して検出しようとするところに目的がある. このために, サーモグラムをディジタル情報としてコンピュータに取込み, 画像を処理, 変換して, 痛みや末梢血流に変換する手法をう開発し, コンピュータ化サーモグラフィ, システム(CTS)と呼ばれるシステムが完成を見るに至った. 生理機能画像は放射線の画像の多くが構造の画像であるのに対して極めて多くの次元を持った生理機能量を対象とせねばならない. 通常医療診断に用いられる2次元画像では, その欠除した次元の持つ意味が大きすぎて, 正確な診断に至らなかったきらいがあり, このような生理機能画像の持つあいまいを, いかにしてコンピュータ処理により取り去ることができるかが開発の焦点となった. 生体の持つ身体軸に対する対称性を利用し, 個体差, 時間依存性の部分などのあいまいさを除去するのに成功した左右減算処理手法は, 生体の疼痛の部位検出に大きな力を発揮するに至った. 短時間内の2画像の減算から生ずる微分画像からは, 血流の変化が算出され, 摘記されるに至り, 末梢循環の診断に大きな能力を与えることになった. 2次微分画像からは, 制御信号量や局所代謝物質の分布状況が摘出され, 生体の一部の温度を基準としたサーモグラフィ, インデックス化画像は個体差を感じた画像表現を与え, 特に腫瘍や, 炎症の診断に大きな役割をはたすことになった. 高度のシミュレーション技法を使って体表温度と深部温度を計測した画像からは, 直接に血流分布図を得ることもでき, 熱血流分布法とも呼ばれる手法が登場している. 今日, ソフトウエアは広く医療の中で使用されるようになり, 第3世代のサーモグラフイシステムとして世界的な評価がなされている.
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