研究概要 |
超低周波音が, 人体にどのような影響を及ぼすかを実験するために, 産業医科大学共同利用研究施設に設置された超低周波音発生装置を使用し, 自律神経障害の定量的指標として考えられた心電図RーR間隔を測定し, 超低周波音を暴露した時と, 暴露しない時の違いを検討した. 超低周波音は, 超低周波音暴露室において15Hz 110dB SPLで, 全身暴露を行なった. 心電図RーR間隔を求める方法は2種類行なった. 1つは, 安静仰臥位で心電図RーR間隔の平均値とその変動係数であるCV値を求める実験で, これについては15分間の安静仰臥位後に行ない, その間に超低周波音を暴露する場合と, 暴露しないコントロールに分けた. もう1つは, 30分間の起立状態で同様の測定を行なった. 被験者は, 健康な女子学生5名である. 仰臥位および起立姿勢において, 超低周波音暴露の時RーR間隔が大きくなる傾向が見られたが, 大きな差は見出せなかった. 安静仰臥位では, CV値は特に大きな差は見られないが, 起立姿勢では, 超低周波音を暴露した時にCV値が大きくなる傾向が見られた. 更に3年間の研究の総括と資料収集を行なった.
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