研究概要 |
本研究では、自動車荷重列の自動計測システムの開発を行った。その結果、走行車両の平面配列(走行速度,車頭間隔,通過位置など)に関するデータが完全に自動化した観測・処理によって得られるようになった。本システムは3つのサブシステムから成っている。 1.センサー部 厚さ7.5mm,幅800mm,長さ7200mmのゴムマットの中に、加圧導電ゴムをスイッチ素子としたコードスイッチが多点(道路横断方向10cm間隔に72点)に埋め込まれている。 2.データロギング装置 マット内のスタートトリガースイッチが"ON"になると、その時刻が記録され、多点に配置されたメインスイッチが"ON"になると、その時刻も記録される。そして、メインスイッチがすべて"OFF"状態になると72個のスイッチのON-OFF履歴が0-1データとして記録される。RAM(16KB,約1100軸分)が一杯になるとRS-232CあるいはGP-IBにてホストコンピュータに転送され、補助記憶装置(20MB,約140万軸分可能)に記録される。さらに、バックアップ装置により長期間の計測が可能である。 3.データ処理装置 データ処理にはマイクロ・コンピュータを使用する。測定データは、まず各軸ごとのデータに変換され、走行速度と道路横断方向の情報(通過車線,通過位置,タイヤ幅,車軸など)を得る。そして、前後の軸のデータとの比較により車両としての情報(車頭間隔,軸距,軸数など)に変換される。種々の値を総合判断することで車種判別を行い、車種別の種々のデータの頻度分布を求めることができる。 本システムを高速道路や一般国道での測定の結果、ハード面及びソフト面の耐久性や信頼性は十分であることが確認できた。今後、荷重列の観測方法を大きく変えるとともに、データの量・質ともに大幅に改善することができるシステムとなった。
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