研究分担者 |
善本 成俊 大阪送風機製作所, 取締役
蓑輪 雅好 香川大学, 農学部, 助教授 (90036088)
瀬能 誠之 岩手大学, 農学部, 助手 (00015679)
山口 智治 筑波大学, 農林工学系, 講師 (40015839)
船田 周 東京農工大学, 連合農学研究科, 教授 (10036270)
YOSHIMOTO Naritoshi Osaka Blowe Co. Ltd.
佐原 伝三 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (30015664)
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研究概要 |
本研究により, 新たな集塵機構をもつ, 「気泡及び泡沫による集塵装置」の基礎モデル試験, 実用規模装置の設計, 試作およびその性能試験について, 当初の目的を達成することが出来た. モデル装置による基礎実験により, (1)気泡集塵のメカニズムは慣性衝突による効果が支配的要因である, (2)装置の圧力損失は液深と風量によって規定される, (3)粉塵供給装置による籾粉塵に対しては99.9%以上の捕集効率が得られ, この捕集効率は液深と風量により表され, (4)粉塵の連続負荷によってその捕集効率はほとんど変化せず, (5)共乾施設の浮遊粉塵に対しての捕集効率は若干低下したが, 約95%を維持することが出来る, 等の結果が得られた. 次にモデル装置を実用規模にスケールアップした装置の設計, 試作を行った. 装置の集塵性能の判定を粉塵の捕集効率によるものとし, これを規定する要因として, (1)処理風量, (2)粉塵の種類, (3)粉塵濃度, (4)噴流空気速度, (5)噴流ノズル口径および本数と配置, (6)液深, 等を検討した. これら要因を可能な限り変化させ, これと捕集効率との関係を分析できるようなものとすることを装置の設計条件とした. 試作装置は, 粉塵供給・捕集部(主要部)の長さ5.60cm, 幅0.92m, 高さ3.60mとなった. 試作装置の性能試験より, その粉塵捕集効率は噴流パイプの水中挿入深さを0cm以上とした場合に99%以上の値を得ることができ, また設定条件によっては99.9%以上の効率が実現できた. また, 粉塵の種類の違いによる捕集効率の低下も無いことが明らかになり, 本装置の利用範囲が拡大した. これらのことから, 本研究において設計・試作された「気泡および泡沫による集塵装置」は極めて優れた集塵性能を有するものであるといえ, また技術的にも実用化への見通しは容易なものと考えられた.
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