研究課題/領域番号 |
61450091
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
市川 健夫 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60014825)
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研究分担者 |
白坂 蕃 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40014790)
小泉 武栄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30114812)
山下 修二 (山下 脩二) 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80064731)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 青潮 / 対馬海流 / 牧畑 / イカ漁 / リマン海流 / トド / 海女 / 青潮文化 / 済州島 / 対馬海流域 / 青潮(あおしお)文化 / 隠岐 / 対馬 / 佐渡 |
研究概要 |
対馬海流の呼称については、隠岐では"本潮"といっているが、黒潮や親潮のように、海流全体の属性を指すものではない。そこでわれわれは、対馬海流に対して「青潮(あおしお)」と名付けて昭和61年からその海流域の自然環境と地域文化を調査し、研究を進めてきた。 黒潮の分流である青潮は、流水量・流速ともに、黒潮よりは少ないが、その末端は樺太にまで達している。このように青潮は、北緯50度まで達しているため、南島文化や東南アジア的な生活様式が、日本海岸の各地に定着している。これだけなら青潮文化は黒潮文化と本質的に変りない。ところが、青潮地域では東アジア・東北アジアと地理的に接していることもあって、その文化がいくつか伝播していることも大きな特色である。牧畑・焼き畑などの土地利用、筏船・たらい船などの磯船、カンジキ、古代スキー、在来種の牛馬など、アジア大陸からの文化が、青潮地域に顕著である。 青潮文化は、五島・対馬・隠岐・佐渡・利尻など日本海の離島に典型的にみられる。ここでは、イカ漁を代表とする沿岸・沖合漁業、自給性の強い混合農業、ヒノキ・アスナロ・スギ・イチイなどの林業などを組合せた文化複合が形成されている。 青潮に対して、北方からリマン海流が南下している。そのため北方系のハマナスが若狭湾・丹後半島でもみられる。またトドが能登半島まで南下している。このように北方系の生態系が、青潮地域では南方系の要素とオーバーラップしているのが特色である。したがって文化の面においても、北方系のものが少なくない。トド猟や昆布などの海草消費、魚の生食、モミ・アスナロなどの人工植林などはその好例である。
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