配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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研究概要 |
我々は治療の過程での耐性獲得(acquired resistance)に注目しその原因を抗癌剤の有する変異誘起作用の面から検討を行い、多剤併用療法の見直しを行うことを本研究の目的とした。 本研究の結果から、以下のごとく考察を加え総括を行った。 (1)V79細胞とC6細胞を用いた突然変異検出実験において、ACNUは変異誘起作用を有し、既知の突然変異原(MNNG,MMS,EMS)では誘導されないACNU耐性を特異的に誘導することが実証された。 (2)脳腫瘍のACNU治療経過中における耐性発現の一つの機序としてACNUそのものが変異原として作用し、新たなACNU耐性細胞を誘導する可能性が示唆された。 (3)ACNUの変異誘起作用は、作用機序の異なる抗癌剤(AZA,FU,ADM,cisplatin,MMC,demecolcin)の耐性細胞をも誘導した。しかし、その程度には差があることが実証された。 (4)ACNUを用いた多剤併用療法において、その変異誘起作用も考慮し、併用薬剤を選択することの必要性が示唆された。 (5)Ca^<2+>-antagonistであるINNは、変異誘起作用によって誘導された耐性細胞の出現を抑制することが実証された。
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