研究分担者 |
日笠 健一 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (20208739)
萩原 薫 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (50189461)
湯川 哲之 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (20110091)
清水 韶光 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (20011744)
菅原 寛孝 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 教授 (70015767)
大川 正典 高エネルギー物理学研究所, 物理研究系, 助手 (00168874)
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研究概要 |
トリスタン加速器による電子・陽電子衝突実験は昭和62年度より本格化した. 昭和62年中に, ビームエネルギー25.0, 26.0, 27.5GeVでの実験を終え, 28.0GeVでの実験が進行中である. こうした状況のもとで, 本課題ではトリスタン・エネルギー領域での現象論を種々の観点から行ったが, 特に輻射補正と超対称性理論に基づく現象論に力点を置いた. 輻射補正では, 電子・陽電子衝突における軽粒子対生成, 光子対生成, トップ・クォーク対生成, ジェット生成などの過程に対する補正の計算を行ったほか, ニュートリノの種類数を調べるのに有効なニュートリノ対+光子の過程に対する補正の計算を行った. これによって, トリスタンにおける基本的な過程の輻射補正の計算は一応完成した. またこの研究の一環としてファイマン図の計算機による自動生成, 自動計算の開発を行った. 超対称理論の関連では, トリスタンにおいて超対称性を検証する可能性について種々の検討を行った. 超重力理論ではスカラー・トップが特別に軽く, トリスタン領域に存在する可能性が指摘されている. 従ってその性質を調べることは重要であるが, 本課題では軽いスカラー・トップ・クォークの崩壊幅の計算を行い, その結果, 従来のスカラー・トップの崩壊幅の計算にはいくつかの重要な見落としがあることが判明した. そのほか, 超強理論から予想される新しいタイプの相互作用の検証の可能性について検討を行った. また陽子・反陽子衝突器による実験との関連を調べた.
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