研究概要 |
前年度は, 動物の脳血管内皮細胞の膜抗原を他動物に感作することにより, 脳に脱髄を起こさせることに成功した. これは形態的に多発性硬化症に類似しており, この膜のどの分画が脱髄活性を有するかが本年度の研究課題となった. ラットの脳血管膜成分はポリアクリラマイドゲル電気泳動によって 分画II(12.3K), 分画I(8.5K), に分画された. この分画をゲルより切り出して蒸留水で洗浄後, それぞれの分画をフロインドのアジュバンドと伴にモルモットに感作した. 分画I感作群では, 組織学的に脳に脱髄が認められたが, 分画IIでは認められなかった. さらに膜成分で感作されたモルモットにおいて分画Iに対して(細胞増生反応)が認められた.
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