研究概要 |
前年度に組織へのmRNA不動化に関する基礎データが集積されたので, 当該年度は, in situハイブリダイゼーション法の感度向上, 非アイソトープ標識法に主眼をおいて検討した. 1.感度の向上 アイソトープ核種のうた, ^3H, ^<32>I, ^<35>S, などのアイソトープを用いて感度の比較を試みた結果, 35Sが最も感度が良く, 組織内局在を高分解能にて観察できることが明らかにされた. 次に35Sを用い, CDNAの標識方法を比較検討した. ニックトランスレーション法およびプライマーエクステンション法により安定して高比活性の標識CDNAが得られた. また合成オリゴヌクレオチドの標識には末端標識法を用いて, 標識ヌクレオチドを得た. このようにして得られた^<35>S標識DNAをin situハイブリダイゼーション法に適用した. その他, ハイブリダイゼーションの条件, 時間, 洗浄条件, 時間について系統的な比較試験を行い, 安定した結果が得られるプロトコルを作製した. 2.非アイソトープの標識法の検討 取扱いの簡便さ, 安全性については非アイソトープ標識法が優れており, とりわけ, 合成プローブを用いた方法がより優れていると考える. そのため塩基数50-100程度のプローブをフォトアフィニーテービオチンによる標識を試みた結果, 良好な標識プローブを得た. 現在, このプローブを用いてハイブリダイゼーションの条件, 洗浄を検討している. さらに, この標識DNAの可視化法についても検討中である. 3.上記1.によって得られたプロトコルをもとに, プレプロエンケファリン, プレプロタキキニンのin situハイブリダイゼーションを検索し, 発表した.
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