研究課題/領域番号 |
62470074
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
高橋 正雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80017863)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1987年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 電気分解 / 電極 / 有機電解還元 / 白金族電極 / チタン基体電極 / 電解用電極材料 / 有機電解 / 白金族系電極 / 電極の異常消耗 |
研究概要 |
その温度、圧力のもとでは反応の親和力が負で熱化学的には目的反応を進行させることができない条件下でも化学と電気のエネルギー変換を行うことができる電気化学反応を応用すれば自由に反応を進めることができ、電気分解とよび製造化学プロセスに熱化学プロセスを補完するために応用されている。これが応用できる反応は酸化・還元に限られるがこれらは製造化学上重要であり応用が広い。この電気分解は活用したくなる魅力にあふれているが、正極での酸化と負極での環元の両生成物を採取目的とすることはまれでいっぽうの電解酸化あるいは電解還元を目的に行われることが多い。この場合、有機合成などに活用される電解還元は目的とは縁のない対極としての酸化反応を進行させなければならない。この負極の還元を目的とする対極の酸化反応は電解液溶媒の水を酸化して酸素を発生させるのが種々の点で最も理にかなっている。本研究は有機溶媒を含む酸水溶液中で酸素発生対極をつとめる高性能電極材料を開発するために行われた。硫酸溶液などでの酸素発生極は鉛系電極が用いられてきたが種々の欠点があることから、耐久性のよいチタンを電極基体とし、その表面を耐久性と電極触媒能に優れた白金族金属や酸化物で被覆してすべての点で高性能な新電極を開発しようとした。白金族の中で酸中の酸素発生に耐えるのは酸化イリジウムだけであったが、これも溶媒としての有機物の存在で異常な消耗加速をうけ実用に耐えない。また、有機物は電極表面で進行する酸素発生反応を著しく阻害し異常な電解電位の上昇を招き実用性を失わせる。このような影響の最も著しい有機溶媒のアセトニトリルを選び、この存在下でも耐久性を確保し、異常な電解電位の上昇のない酸化イリジウム系電極として、酸化イリジウムにタンタル酸化物を複合した電極被覆材を開発した。最も性能のよい組成はIr分の0.3モル分率のTaを含む酸化物で、微量のPt添加がよい。
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