研究課題/領域番号 |
62550373
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河田 恵昭 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10027295)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 漂砂 / 掃流漂砂 / 浮遊漂砂 / 海底地形 / 捕砂器 / 観測桟橋 / sheet flow / 漂砂量 / 岸沖方向漂砂 / 海浜断面 / 大潟海岸 / 砂州 / 反射 |
研究概要 |
本研究では、初年度に海底地形変動について研究し、次年度は漂砂量推定に関する研究を防災研究所付属大潟波浪観測所のT字型観測桟橋において実施した。その結果、つぎのことが明らかとなった。1.T型桟橋と今回開発した計測ソリを用いれば、桟橋付近の平面的な海底地形が十分な精度で求められることがわかった。2.桟橋付近の海浜過程も一般的な大潟海岸のそれと同じであり、浅瀬と深みが経年的にほぼ不動であって、冬期の高波浪でそれらがさらに顕著になり、しかも前浜での反射波による離岸漂砂のため、浅海域全体が深くなることが見出された。とくに、桟橋の東端では、岸からの戻り流れがあって、それが桟橋中央に達していることがわかった。3.高波浪時の掃流漂砂の捕砂器を開発した。これは、局所洗掘と岸沖方向の流速度化を利用したものであって、高波浪時に水中ビデオカメラを捕砂器に取りつけて捕砂状態を記録したところ、sheet flow状の掃流砂が捕砂されている様子が確かめられた。4.高波浪時に掃流漂砂捕砂器によって2度にわたって、漂砂量を測定した。その結果と従来の漂砂量式による計算値を比較したところ、かなりの程度一致することが確められた。2.鉛直方向に5点の濃度計をトライポッドに取りつけ、浮遊漂砂分布を観測した。その結果、非砕波の波では、底面から鉛直方向に濃度のピークの出現する位相がほとんど一致していることが見出された。6.海底地形の計測器の改良を行い、非駆動のデータロガーによる大量のデータの取り込みが可能となり、高精度で安定性の高い海底地形データを取得できるようになり、これを用いて昭和63年度の夏期と冬期の3回にわたって、現地海岸で計測を行ったところ、前年度の成果が再度確認できた。今後はこれらの測器を同時に用いて、漂砂の時空間構造を明らかにする予定であり、世界的にみて、貴重なデータとなると確信している。
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