研究課題/領域番号 |
62570159
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
名倉 宏 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022821)
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研究分担者 |
伊藤 雅文 名古屋大学, 医学部, 助手 (50184693)
太田 美智男 (太田 美智夫) 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20111841)
鷲見 幸子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00022806)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | カンピロバクター感染症 / 無菌動物 / 慢性胃炎 / 免疫組織化学 / 消化管リンパ装置 / 局所免疫機構 / Tリンパ球 / 免疫グロブリン / IgA / IgG |
研究概要 |
本研究は、2年間を目標に、(1)無菌ラットを用いた実験動物モデルの確立と、その免疫病理学的検索ならびに、(2)ヒトカンピロバクター感染症患者の胃腸粘膜の免疫組織化学的解析から、その感染ならびに消化器病変の成立における局所免疫機構の役割を明らかにすることを目的に開始された。 Capyloridis未感染の無菌ラット及び通常環境下で飼育されたラットの消化管及びリンパ装置の免疫組織化学的検索は修了し腸内細菌叢に対する生体の免疫応答機構の一端が明らかとなった。無菌ラットでは消化管リンパ装置の発育は悪く、殊にパイエル板では胚中心の形成はほとんど認められず、また腸管絨毛上皮細胞間リンパ球(IEL)は通常環境下で飼育されたラットの1/10以下で、上皮細胞におけるIa抗原の表出はほとんど観察されなかった。固有層のIgA形質細胞もごく少数で、これらを欠く絨毛も認められた。しかし、腸内細菌叢の定着によりIELの増多と固有層のIgA形質細胞の著増、上皮細胞のIa抗原の出現が証明された。また、ヒト慢性胃炎患者胃粘膜生検組織における菌体の局在を観察したところ、主として腸上皮化生を伴わない腺管内に菌体を検出した。その腺上皮は通常過形成となり、その周囲の固有層にはIgA及びIgG形質細胞及び好中球の増多が著しく、菌体に対する生体の炎症反応と免疫応答及び上皮細胞の増殖性変化を誘導することが明らかとなった。当初の研究計画からはヒト慢性胃炎患者胃粘膜組織からのC.pyloridisの分離及び本学部実験動物研究施設内の感染実験室の整備が予定より遅れたが、ヒト材料より分離された菌を、無胸腺ラットならびに無菌環境下で飼育された免疫学的に正常な8週令のラットに経口的に感作させる実験を引き続き継続する。またそれによって引き起こされた胃病変を免疫組織化学的に検索し、ヒトの症例の観察結果と対比させる。以上の研究結果は今後胃腸の炎症性潰瘍性疾患の病因の解明に手掛りを与えてくれる。
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