研究課題/領域番号 |
62580027
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
田口 友康 甲南大学, 理学部, 教授 (30140388)
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研究分担者 |
太田 雅久 甲南大学, 理学部, 助教授 (30068134)
藤原 儀直 甲南大学, 理学部, 助教授 (60068088)
北條 俊一 (北条 俊一) 甲南大学, 理学部, 教授 (00084856)
伊藤 昇 甲南大学, 理学部, 教授 (20151524)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 音楽記述言語 / 計算機演奏システム / 演奏表現 / 演奏分析 / 拍子リズム / 急法 / 演奏モデル / ピアノ演奏技法 / 緩急法 |
研究概要 |
本課題は、計算気援用の音楽演奏に音楽的表現能力を獲得させることを目的とする研究で、それは芸術的演奏のために楽譜に付加されるべき演奏情報を求めることと言い換えることが出来る。我々は対象をピアノ音楽に特定して、 (1) 高位な奏譜言語の設計とその演奏装置の作成、 (2) 演奏家が実現する演奏情報 (楽譜からの変位) の抽出、ならびに (3) 演奏モデルとシミュレーション、という3つのテーマを考究した。 (1) については、演奏表現を、音長、音強、緩急、継切、ダンパー制御にパラメータ化し、それらを独立に、かつ階層化された音符列の任意の水準に多重的に付与し得る言語 (Music in Structured Expression,MUSE) として取りまとめた。この言語は、ピアノ音楽の様々な演奏表現を音楽進行の時間的秩序の上で容易に実現させることができる。 (2) については主として緩急法の同定問題を扱い、その数理モデルを開発した。これによりワルツなどの演奏における速度リズムを分析したところ、演奏家固有の特徴を抽出することが出来た。 (3) については上記 (1,2) をもとに速度変動のモデルを二、三考察した。 (2) に述べたごとき演奏家の演奏に含まれる緩急情報 (あるいは、より広く演奏情報) に関しては、音楽の構造に即した形での数理的取り扱いはこれまでほとんど行われていない分野である。我々としてもそのような分析は本課題においてはじめて本格的に取り組んだのであり、今夜その方法論を一層高めるとともに、対象をさらに広げて行きたい。我々が構築した自動演奏システムはそのための必須な実験装置となるものであり、これによる 「合成による分析」 研究は、演奏家が実現する演奏情報の分析研究を補完する役割をはたすと考える。
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