研究課題/領域番号 |
62840011
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大滝 英治 岡山大学, 教養部, 教授 (40033120)
|
研究分担者 |
今岡 護 柳本商事, 技術部, 係長補佐
三沢 清 ヤナコ分析工業, ガスクロ室, 室長
IMAOKA Mamoru Yanagimoto Shyoji, associate chief clerk
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | 二酸化炭素フラックス / 渦相関法 / 空気力学的傾度法 / ガスクロマトグラフ / 二酸化炭素 / フラックス |
研究概要 |
地表面や大気を保温し気候の温暖化をもたらす心配のある二酸化炭素濃度が大気中で着実に増加している。大気中の二酸化炭素濃度の増加の原因は人間活動による化石燃料の消費の増大にあり、化石燃料を燃やすことによって大気中に放出される二酸化炭素のうち、約1/2量が大気中にとどまり、残り1/2量が海洋と植物圏に取り込まれていると考えられていた。ところが、最近熱帯雨林の大規模な伐採や耕地化の進行により、植物圏は大気中の二酸化炭素の吸収源ではなく、逆に放出源になっているという考えが相次いで出され大気中の二酸化炭素を吸収する海洋の役割を明確にすることが急務になってきた。しかし、測定器の開発の遅れから、大気-海洋間の二酸化炭素の交換量の直接測定はあまり行なわれていない。 本研究では、昭和62年度に海水中と大気中の二酸化炭素濃度の鉛直分布を測定する機器と二酸化炭素濃度の変動成分の測定器の開発を行った。そして、昭和63年度には、上記の測定器を新潟県にある京都大学防災研究所の観測桟橋に設置して、海面上での二酸化炭素の交換量を測定する空気力学的傾度法と渦相関法の確立をめざすと共に、二酸化炭素の交換の特徴を、観測に基づいて、見いだそうとした。観測結果は、海洋上での二酸化炭素の輸送方向は大気の成層状態によって決まり、運送量の大きさは風速によって支配されるという妥当な結論を示した。本研究により大気と海洋間の二酸化炭素の交換量を気象学的な方法によって直接測定できる見通しをもつことができた。 これからの課題は、代表的な海域を選び、四季を通じて、大気-海洋間での二酸化炭素の交換量を直接測定すると共に、森林破壊の影響を含めた大気と植物圏間の二酸化炭素の交換の実態を明らかにし、二酸化炭素の増加に対して、海洋と植物圏が果たす役割を明確にすることである。
|