研究課題/領域番号 |
62860009
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野口 忠 (1988-1989) 東京大学, 農学部, 教授 (50011937)
内藤 博 (1987) 東京大学, 農学部, 教授
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研究分担者 |
小林 隆明 味の素株式会社, 中央研究所, 主任研究員
吉田 哲雄 伊藤忠飼料株式会社, 常務取締役技術部長
内藤 博 共立女子大学, 家政学部, 教授 (80034445)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | ジゼロシン / 筋胃潰瘍 / リジン添加 / 魚粉 / 黒嘔病 / リジン |
研究概要 |
ジゼロシンは、飼料用魚粉中に発見された物質で、この物質を含む魚粉をニワトリに給与すると、筋胃潰瘍を引き起こす。この病気は black vomit もしくは vomito neglo と呼ばれ、広く世界で養鶏産業に大きな被害をもたらしている。ジゼロシンは魚体には存在せず、魚粉の製造過程、特に加熱乾燥過程で生成することが知られている。本研究はこのジゼロシンの生成の少ない魚粉の製造法を開発しようとするものである。 研究は、まずジゼロシンの簡便な定量法の開発から始めた。その結果、従来法に比べ、一定期間の処理数を大幅に増やすことのできる新しい原理に基づく定量法を確立することができた。 引き続き、魚粉にリジンもしくはアスコルビン酸を添加することによって、低ジゼロシン魚粉の製造ができないかを検討したところ、リジン添加によってジゼロシン含量の低い魚粉の製造が可能であることが明らかになった。すなわち、魚粉にリジンを0.5%添加すると、ジゼロシンが確実に生成する条件である130℃、3時間の加熱によっても、対照に比べ、有意にジゼロシン含量の低い魚粉を得ることができた。 この結果をもとに、実際の魚粉製造過程でリジンを添加し、魚粉約60kgを製造し、ヒナの成長試験、筋胃潰瘍発生活性の検定、添加したリジンの生物学的有効性、等を調べたところ、いずれもリジン添加魚粉が優れていることが証明された。この検定は、実験室に限らず、製品を養鶏の現場の技術者(複数)に提供して評価を依頼したところ、同様の成績を得た。また、化学的には、製品を上記の条件で加熱してもジゼロシンの生成が少ないことが証明された。 本研究により、低ジゼロシン魚粉の製造が原理的にも、実用的にも可能になった。
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