研究分担者 |
西田 泰民 (財)古代學協会, 古代學研究所, 研究員 (80172667)
松谷 暁子 日本大学, 法学部, 非常勤講師
小池 裕子 埼玉大学, 教養部, 助教授 (40107462)
中野 益男 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30111199)
春成 秀樹 国立歴史民俗博物館, 助教授 (20032708)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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研究概要 |
1.縄文土器の用途を究明するための付着物分析デ-タの集積を目指し、縄文土器の多数の様式から分析資料を収集し,付着物に含まれる植物の形態学的観察(松谷担当),ならびに付着物の脂質分析(中野担当),安定同位体分析(小池担当)を行った。その結果,各資料について脂肪酸組成・ステロ-ル組成・13C値・15N値等が測定され,煮沸調理の内容物の同定と比較を行いうる基礎的デ-タが得られた。 (1)神奈川県月見野上野遺跡・深見諏訪山遺跡出土土器(草創期) (2)熊本県瀬田裏遺跡出土土器(早期) (3)群馬県下田遺跡出土土器(中・後期) (4)滋賀県粟津貝塚出土土器(早・前・中期) (5)大阪府小阪遺跡出土土器(後・晩期,弥生前期) 2.土器付着物の脂質分析に関する問題点として,土壌中の脂質が資料に与える影響について検討した。その結果,GCーMSスペクトル分析によって土壌中の脂肪酸組成・ステロ-ル組成の特徴と土質による変化が判明したが,土壌に起因する脂質と付着物の純粋な内容物の脂質との識別の問題が,方法論上の課題として新たに提起された。 3.付着物分析による土器の用途の研究の前提的な課題として,煮沸用の器種とそれ以外の器種を識別する方法を確立するために,熱残留磁化測定を応用することによって土器の二次的な被熱を確認し,その方法的な見通しを得た。ただし,現段階では,基礎デ-タの集積と方法論上の問題を検討する実験的な段階に留まっている(西田担当)。 4.考古学的方法に基づく土器付着物の基礎的研究として,縄文後期加曽利B式土器様式ならびに晩期亀ヶ岡式土器様式について,付着物の有無・種類・付着部位等を形式・型式別に観察し,それらの用途と使い分けを検討した。
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