配分額 *注記 |
18,100千円 (直接経費: 18,100千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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研究概要 |
養子免疫療法の臨床応用に向けてまず自己癌に特異性の高いキラ-細胞を大量に準備する必要があるが,Haemoneties V50フレ-シスシステムを用いてLeukapheresisを行うことにより一度に大量の末梢血リンパ球を採取することが可能となった。末梢血リンパ球を自己あるいは同種癌細胞と混合培養し,次いでIL2を添加することにより,自己癌に対して特異性の高いATLAKあるいはAllo TLAK細胞を誘導しえた。一方,このキラ-細胞をいかにしてtargetである腫瘍組識に到達させるかが問題となるが,上顎癌症例をモデルにした検討で浅側頭動脈より逆行性に動注することにより腫瘍局所である上顎に十分なキラ-細胞を集積させることが可能であった。主に上顎癌,舌癌を対象として新鮮一次症例に対し動注法による養子免疫療法を施行したところ,16例中6例(37.5%)に50%以上の腫瘍縮小がみられた。養子免疫療法単独でも抗腫瘍効果の認められることが観察されたが癌を完全に制御することは困難であり,癌の集学的治療の一環として化学療法放射線療法との組合せを検討した。化学療法との併用は試験管内でキラ-細胞を誘導中に化学療法を先行させ,その後キラ-細胞を移入する方法(chemo immuno therapy)で5例中3例に50%以上の縦小を認めた。放射線照射との併用は,まず免疫療法を先行させその後放射線照射を追加すmmuno radiation therapy)で5例全例に50%以上の縮小を認めた。また,頭頚部癌治療上の問題点の一つに肺転移があるが,キラ-細胞を静注するとまず肺に集積のみられることから,肺転移をきたした症例にキラ-細胞の静注を試みたところ,免疫療法単独3例中1例,chemo immuno therapy4例中2例に50%以上の縮小を認めた。肺転移が発見されて2年以上生存した症例も3例を数えている。一方,リンパ球の大量培養法についても,ソフトフラスコを利用することで簡便に無菌操作が可能となった。
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