研究課題/領域番号 |
63470074
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内本 喜一朗 京都大学, 工学部, 教授 (90025958)
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研究分担者 |
松原 誠二郎 京都大学, 工学部, 助手 (90190496)
大嶌 幸一郎 京都大学, 工学部, 助教授 (00111922)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | ラジカル / トリエチルボラン / トリフェニルスタナン / 付加 / 環化 / トリフェニルゲルマン / アセチレン / ヨウ化アルキル / 付加反応 / ヨウ化ビニル / ヨウ化ペルフルオロアルキル / ラジカル付加 / αーハロケトン / ビニルシクロプロパン転位 / パラジウム触媒 |
研究概要 |
トリアルキルボランに微量の酸素を作用させると-78℃以下でも有機ラジカル種を有効に発生させることができる。トリエチルボランを触媒に用いるラジカル反応が有機合成に有用であることを明らかにした。主な成果は次の通りである。トリエチルボランを触媒として低温でアルキンにトリフェニルスタナンを位置および立体選択的に付加させる反応を開拓した。生成したビニルスズ化合物は有機合成の重要な中間体である。またアセチレンにスズラジカルが付加して生成するビニルラジカルは、分子内に存在するオレフィンに付加してアリキルラジカルを与え、ついでスタナンから水素を引き抜いて環化反応が完結し、スズラジカルが再生される。この付加環化反応は高収率で進行し、高い立体選択性を示す。この新しい環化反応が有効であることは、発表後多くの研究者により利用されていることからも明かである。またゲルマンの付加において反応温度により高度に立体制御出来ることを見いだし、さらに研究を進めて、中性条件下でオレフィンの異性化を効率よく行う手法を明らかにした。上記の触媒を用いるとチオ-ルをアセチレンに容易に付加させることができる。またこのラジカル開始系を利用して低温で有機ハロゲン化合物をスタナンを用いて炭化水素へ還元し、従来の金属水素化物による還元にはない特徴を明らかにした。一方、アシルラジカル等価体を効率よく発生させて分子内アセチレン結合に付加させ、α-メチレンラクトンを合成する方法を開拓した。上記のスタナンやゲルマンのみならずヨウ化アルキルやヨウ化ペルフルオロアルキルのアセチレンへの付加反応も開拓した。このようにラジカル機構による各種の付加反応の開拓に加えて、Reformatsky型反応をラジカル開始機構を導入して行えることを示し、ヨウ化アルキル、メチルビニルケトン、アルデヒドとによる新しい型の3成分連結反応を開拓した。
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