研究課題/領域番号 |
63470118
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
上埜 武夫 静岡大学, 農学部, 教授 (70193828)
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研究分担者 |
鈴木 恭治 静岡大学, 農学部, 助教授 (00109133)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 紙 / 板紙 / 段ボ-ル / 放射線 / ガンマ線 / 劣化 / 強度特性 / 紙力増強剤 / 段ボ-ル原紙 |
研究概要 |
放射線照射によって崩壊しやすいセルロ-スやヘミセルロ-スを主要成分とする紙や板紙を、医療品や食品の放射線滅菌における包装紙や容器に用いることを想定して、ガンマ線を照射して諸特性の変化を追究し、つぎの結果を得た。 1.各種パルプから調製した手抄き紙の強度特性は、滅菌に必要な照射量(25KGy)では低下するものの、耐折強さ除いて変化割合は比較的小さく、とくに乾燥引張り強さの低下率は小さい。また湿潤引張り強さは元来低い値であるが、化学変化が起るためか照射量の増加とともに高くなる。 2.100KGyまでのガンマ線照射でも、セルロ-スの重合度の低下と同程度の低下を示す耐折強さ以外の強度特性の低下率は、10〜30%程度である。また照射による白色度の変化はほとんどない。 3.ポリアクリルアミド系紙力増強剤の添加により、ガンマ線照射による強度の低下を抑制できないものの、紙力の増加分は保持される。 4.段ボ-ル原紙のライナと中しんに100KGyまでのガンマ紙を照射したところ、諸特性の変化は手抄き紙の場合と同様であった。また段ボ-ル原紙特有の規格の圧縮強さは、照射してもほとんど変わらない。 5.ガンマ線照射による段ボ-ルの強度特性の変化は、原紙の場合よりも小さく、滅菌に必要な照射量で、AA級段ボ-ルは外装用のJISの4種を維持するが、A級段ボ-ルは3種に落ちる程度である。 6.ガンマ線照射試料のリサイクルにおいて、離解時に短繊維化が起って、ろ水度が低くなる。しかし、リサイクルにおける一般的な強度低下と照射による強度低下の合計以上の悪影響はない。
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