研究分担者 |
田上 恵 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90107657)
花岡 一雄 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 助教授 (80010403)
小倉 信 東京大学, 医学部, 助手 (50185568)
川俣 和博 三井記念病院, 医長
井出 康雄 東京大学, 医学部(分), 助手 (60193463)
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研究概要 |
1. 成ネコを用い、腰部椎弓切除を行い、微小電極を第7腰髄内に挿入した.成ネコは中脳網様体除脳術で非動化し、一般状態を生理学的正常範囲内に維持した.脊髄後角Rexed第5層型単一細胞活動を記録した.自発活動と疼痛刺激装置によるピンチ法で誘発活動を測定した. 露出脊髄を吸入麻酔薬の高濃度蒸気に暴露し、脊髄後角単一細胞活動の変化を自発活動と誘発活動の双方でみた. 吸入麻酔薬飽和蒸気暴露の結果,脊髄後角単一細胞活動の自発活動も誘発活動も明確には抑制しなかった.時に,刺激所見も得られた. 結局,吸入麻酔薬を脊髄表面から投与した際に脊髄後角単一細胞活動の自発および誘発活動を明確に抑制するとの所見は得られなかった. 2.本法の臨床的な有効性を検討すべく、エ-テルおよびハロセンを使用して患者で検討した.この所見は有効を強く示唆するが,その臨床的意義には疑義ものこっている. 3. 硬膜外腔に吸入麻酔薬を投与した場合の、呼気内吸入麻酔薬濃度は極めて低値で,検出はできたが,定量的決定はできなかった. 4.薬動力学的研究として、臨床的に使用される吸入麻酔薬の硬膜外投与に際し、呼気濃度の推移を検討すべく、コンピュ-タモデルを作成して解析した.これによれば,本法の脊髄への効果が確認されれば,通常吸入麻酔に比較して投与量は約2%,使用量は約0.3%である. 5.この研究に関連して,論文5編(うち1編は予定)、学会研究会の発表8編(うち1編は予定)、また図書7冊(うち1)を出版した.
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