研究課題/領域番号 |
63570121
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
指吸 俊次 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00019564)
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研究分担者 |
調 恒明 大分医科大学, 医学部, 助手 (50179058)
吉田 敏 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50158440)
竹下 正純 大分医科大学, 医学部, 教授 (50019551)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シトクロムb_5還元酵素 / 遺伝子構造 / 遺伝性疾患 / 点突然変異 / Ser→Pro突然変異 / 変異酵素 / 遺伝子構造解析 / シトクロムb_5還元酵素欠損 / 大腸菌内発現 / cDNA / エクソン / cDNA発現 / 部位特異的突然変異 |
研究概要 |
本研究では、NADH-シトクロムb_5還元酵素(b_5Rと域)の遺伝子構造とその発現の調節機構を明らかにすべく研究を進めてきた。既にヒト肝臓及び胎盤のb_5RCDNAを単離し、その構造を決定しているので、同cDNAをプロ-ブとして、b_5Rの染色体遺伝子をクロ-ニングした。単離した染色体遺伝子の構造を解析したところ、全長約3万塩基対にわたり、9個のエクソンが見出された。本酵素に見られる赤血球の可溶性b_5R(275アミノ酸残基から成り、膜結合断片を持たない)と、ミクロソ-ム膜に結合しているb_5R(300アミノ酸残基から成る)は、その機能性部位(275アミノ酸残基)は全く同じ構造を持つが、膜結合部位は第2エクソンのほぼ中央で切断されることが明らかとなった。本酵素が遺伝的に欠損する疾患としては3型あり、それらは赤血球の可溶性b_5Rのみが欠損する「赤血球型」、ほぼ全組織のb_5Rが欠損する「全身型」、及び血液細胞のb_5Rのみが欠損する「血液細胞型」である。本研究では先ず「全身型」患者の遺伝子の解析に成功し、Ser-127(TCA)からPro(CCA)への突然変異が明らかとなった。そこでこの変異を部位持異的突然変異法を用いてcDNAに導入し、大腸菌内で変異酵素を発現させ酵素を精製しその性質を調べた。Ser127→pro変異酵素は、NADHに対するKmが約10倍に大きくなっており熱安定性が低下していた。また吸収、蛍光、円偏光二色性スペクトルなどが正常酵素と異なっていた。また同時に作ったSer127→Ala変異酵素も同様な性質を示したことから、Ser127はそのOH基がNADH結合部位で他のアミノ酸と水素結合をして構造の安定化に重要な役割を果しているものと考えられた。「全身型」患者組織では、活性が低下したSer127→Pro変異酵素が発現していることが明らかとなった。現在、「赤血球型」、「血液細胞型」の患者の遺伝子解析も同時に進めている。
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