研究概要 |
本研究では,豊かな表現力と高速な推論機能とを持った知識表現言語PAL89を作成した。この知識表現言語の核は,継承階層PrologーPALである。継承階層PrologーPALが可能としているクラス集合束縛変数は,自然言語処理などの意味表現にとって非常に自然で強力な道具を提供している。本研究では,これを発展させた制約論理型言語PAL89を実現した。その特徴は, 1.クラス束縛変数の機能を大幅に拡大した。すなわち,(1)クラス束縛変数をマルチクラスに拡大して,多重継承に当る処理などを宣言的に自然に実現した。(2)継承階層コンパイラや継承階層インデキシングの機能を実現し,さらなる高速化を図った。 2.コンスパタ-にもクラス(タイプ)を導入し,「typed prolog」を定式化し,その理論を与え,PAL89に実装した。これにより,継承階層PrologーPALはさらに機能が拡大された。これは,例からの学習や,自然言語仕様からのプログラム合成などのシステムを実現することによって,極めて有用な枠組みであることが実証された。 3.制約付き変数が導入された。これにより,ユ-ザ-は,既存のオブジェクトとはユニフィケ-ションが異なる新しいオブジェクトを制約付き変数として自由に導入できる。これは,デュアル・プログラミング(まずオブジュクトを定義し,次にそれらの関係を論理プログラミングするという,2段階のプログラミング)を可能にした。
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