公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本年度は光子対から電子スピン光子偏光の対への量子もつれ相関転写実証では、狭帯域化したもつれ光子対源を用いて片方の光子を量子ドットに照射してそのスピンを単発読み出しにより検出した。また、同時に光子も検出される事象が存在することも明らかとなった。しかし、同時検出の効率が非常に悪くもつれの検証はできなかった。これはファイバーの位置が経時変化していたために光電子生成率が低くなっていたであり、今後はこの問題を改善する。また、計画にはなかったが光ではなくフォノンの照射を行った際の二重量子ドットにおけるスピン閉塞効果の変化を調べたところスピン三重項励起状態を介したスピン反転機構によりスピン反転率がフォノン照射量に対して急激に増大することが初めて分かった。これは、非平衡フォノンとスピンとの新たな結合機構の存在を示しており、量子ビットだけでなくスピントロニクス分野でも重要だと考えられる。さらに、バイアス電圧を印加することでスピン三重項状態が二重量子ドットで共鳴状態になる状況を実現し、その共鳴現象の実時間測定にも成功した。加えて、完全計数統計を用いてスピン反転/保存を伴うトンネル現象を調べたところ、統計性にパリティ効果や非対称性など特徴的な性質があらわれることがわかった。さらに、完全計数統計と待ち時間統計との関連性の検証も行った。これらを理論モデルで解析し、上記の特性がスピン閉塞効果に特徴的な縮退度や低いスピン反転率を反映した結果であることがわかった。これらの結果はスピンを用いた非平衡統計力学の基礎法則の検証へとつながる重要なものである。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (42件) (うち国際学会 16件、 招待講演 8件) 備考 (1件)
Physical Review B
巻: 99 号: 8 ページ: 85203-85203
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