研究領域 | 配位アシンメトリー:非対称配位圏設計と異方集積化が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04594
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
芳賀 正明 中央大学, 理工学部, 名誉教授 (70115723)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | プロトン共役電子移動 / ルテニウム錯体 / メモリスタ / プロトン伝導 / 二端子デバイス / ポリビニルピリジン / ヘテロ接合膜 / 表面錯体化学 / 表面積層膜 / 錯体ナノ構造 / 分子デバイス / ヘテロ接合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、生体膜のプロトン勾配によるエネルギー生産およびニューロンのシナプスでの信号伝達にヒントを得て、pKa差およびレドックス電位差をもつプロトン共役電子移動(PCET)する錯体ナノ構造体をヘテロ接合させ、光、電子など外部摂動により界面でのプロトン移動を誘起して生成する非対称分極によるプロトン濃度差を情報としてメモリ・蓄電できる集積分子デバイスを創成する。また、様々なプロトン伝導物質を用いてプロトンの移動がメモリとなる新しいプロトンメモリスタの動作指針を探索する。さらには、本ヘテロ接合での外部信号によるメモリ・蓄電と、生体のシナプスによる記憶との等価性について考察する。
|
研究実績の概要 |
プロトン・イオン移動を電荷貯蔵・情報記憶の媒体として利用するために、プロトン共役電子移動 (PCET) 反応を示す金属錯体あるいは金属酸化物を利用した分子メモリスタの創製を目指した。PCETを示す2種類のルテニウム錯体積層膜で修飾した2つの電極間での酸化還元電位の差と分子のレドックスに伴うpKa値の変化を、プロトン伝導性を持つpoly(4-vinylpyridine) ポリマーで接合した二端子デバイスの電流―電圧(I-V)特性はヒステリシスをもつ非線形のI-V特性を示し、レドックスに伴うプロトン濃度勾配をプロトン伝導の駆動力とする抵抗変化型スイッチングによるプロトンメモリスタの創製に成功した。また、プルシアンブルー (PB)とRu二核錯体とのヘテロ接合膜での電位勾配を利用した電子の整流性とPBの空孔内へのイオン移動の組合せによるイオン貯蔵を二次電池に応用できることを見出した。次に、プロトン伝導性をもつ液体MOFである[Zn(HPO4)(H2PO4)2](ImH2)2 (Im: イミダゾール, 以後Zn-MOFと略す)とPCET反応WO3 + e- + nH+ =HnWO3を示すWO3を組み合わせたヘテロ接合膜ITO||ZnMOF/WO3||Wを作製した。このヘテロ接合型二端子デバイスのI-V特性は非線形であり、電位掃引により特徴的な8の字型ヒステリシスが観測された。Zn-MOF中にRuトリスビピラジン錯体[Ru(bpz)3]2+をドープしたITO||ZnMOF([Ru(bpz)3]2+doped)/WO3||Wの二端子デバイスは可視光応答性を示した。以上の結果は、ZnMOF中にドープした[Ru(bpz)3]2+が光MLCT励起状態では錯体の塩基性が増し、プロトンの授受を仲介し、MOF内でのプロトン伝導を促進することでプロトンメモリスタの光制御が可能となった。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|