研究領域 | 植物新種誕生の原理―生殖過程の鍵と鍵穴の分子実態解明を通じて― |
研究課題/領域番号 |
19H04865
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 寿朗 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (90517096)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 遺伝子発現制御 / 蜜腺 / 形態形成 / 生殖 / 遺伝子発現 / オーキシン / 発現制御 / 発生・分化 / 構造 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの被子植物の花の内側基部には、蜜を分泌する特殊化した器官である蜜腺がある。この蜜を餌とするチョウやハチなどの昆虫などが開花時に訪れることで、受粉の効率が高められる。蜜線は、開花にともなって蜜を分泌し、受精後には素早く細胞死を起こすと考えられている。蜜腺は進化の過程で、多様な種分化を生み出した重要な因子と考えられるが、蜜腺がどこでどのように作られて、そして消えていくのかという分子メカニズムは、まだ分かっていない。本申請研究では、シロイヌナズナの蜜腺をモデル系として蜜腺の形成と消失を制御する遺伝子カスケードを解明することにより、新種誕生にいたる進化の分子的基盤の理解をめざす。
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研究実績の概要 |
多くの被子植物の花の内側基部には、蜜を分泌する特殊化した器官である蜜腺がある。蜜腺は進化の過程で、他殖により遺伝学的多様性を担保し多様な種分化を生み出した重要な因子と考えられるが、蜜腺がどこでどのように作られて、そして消えていくのかという分子メカニズムは、まだ分かっていない。本申請研究では、シロイヌナズナの蜜腺をモデル系として蜜腺の形成を制御する遺伝子カスケードの解明を目指した。蜜腺形成の鍵転写因子CRCの突然変異体および誘導系を用いて、RNA-seqによる下流ターゲット遺伝子のスクリーニングを行った。その中で、実際に鍵穴として作用するリアリゼーター(realizator具現化)遺伝子を同定し、その機能を進めた。野生型とcrc変異体の蜜腺のサンプルを用いて遺伝子発現プロファイルを網羅的に比較することで、発現が変動した遺伝子は303個同定した。同時に、crc変異体にgCRC-GFPを導入した植物を作出し、ChIP-seqにより CRCが直接結合する遺伝子として、1,881個を同定した。RNA-seqとChIP-seqで同定した遺伝子の内、重複していた遺伝子は77個存在した。これらの遺伝子のGO term解析では、器官の形成、植物ホルモンオーキシンへの応答や糖代謝などが見つかった。その中には蜜腺の分化を制御する転写因子BLADE-ON-PETIOLE1 (BOP1)や、スクロース輸送体SWEET9、オーキシンシグナル系の制御因子であるMACCHI-BOU4(MAB4)等が含まれていた。これらの結果から、CRCは蜜腺の分化や糖の輸送、そして蜜腺器官形成なども制御している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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