研究領域 | トランスカルチャー状況下における顔身体学の構築―多文化をつなぐ顔と身体表現 |
研究課題/領域番号 |
20H04585
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
田中 彰吾 東海大学, スチューデントアチーブメントセンター, 教授 (40408018)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 身体性 / 身体化された自己 / 文化と自己 / 日本的自己 / 対人恐怖症 / 社交不安障害 / トランスカルチャー |
研究開始時の研究の概要 |
人々のパーソナリティは、生育環境において支配的な文化によって大きく影響される。以前から、日本文化によって影響された「日本的自己」は、欧米の個人主義文化の影響を受けた自己のあり方に比べて、対人関係依存的で(「甘え」)、場の雰囲気に左右されやすい(「空気」)、といった特徴があるとされてきた。しかし、グローバル化した現代社会では多文化が混淆する環境が大都市を中心に形成されており、日本もその例外ではない。本研究では、ハワイに移住した日系移民との比較を通じて、日本的自己が現代社会においてどのように変化しつつあるのか(あるいは変化していないのか)、「身体性」の観点をヒントに読み解く。
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研究実績の概要 |
本研究は、グローバル化した現代社会において日本的自己がどのように変化しつつあるのか(または変化していないのか)、身体性の観点から解明することを目的とする。本研究が依拠するのは、現象学と認知科学の境界で発展してきた「身体化された自己(embodied self)」の理論であり、身体と環境の相互作用から創発する現象として自己を理解する。人類学者ベネディクトの『菊と刀』以来、日本的自己をめぐる従来の議論は「西洋vs日本」という二分法的な図式へのとらわれが強く、日本文化が不変の本質を持つかのように考える傾向が強かった。本研究では、身体性に着目することでこの傾向を改めることを念頭に置いている。身体的経験への焦点づけの違いによって文化的自己はさまざまに異なるしかたで構築されるものであり、その焦点づけは文化に応じて一定の傾向を備えているものの不変で固定的なものではない。この点について現象学的な枠組みのもとで解明することを目指している。 当初の計画では、理論的考察と並行してハワイの日系移民についてのフィールド調査を実施する予定だった(それにより、日本的自己が社会・文化的環境の違いによりどのように変化するのか見極めることを意図していた)。しかし、2020年初頭に始まったパンデミックのためフィールド調査は諦めざるをえなかった。そこで計画を変更し、身体性と自己と文化の関係を考察する事例として、対人恐怖症の症状論に取り組むことにした。この病は日本では戦前から知られており、1970年代までは国際的にも文化依存症候群とされていたが、1980年代以後は急激にグローバル化し、現在では「社交不安障害」という疾患名が世界的に使用され、対人恐怖症もその亜型と位置づけられるに至っている。本研究では、この間の歴史的変化を、トランスカルチャー状況下における文化的自己を物語る事例としてとらえ、研究を進めた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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