研究領域 | フォトクロミズムの攻究とメカニカル機能の創出 |
研究課題/領域番号 |
21021006
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小池 隆司 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (30451991)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2010年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2009年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 光スイッチ / 有機金属錯体 / ジチエニルエテン / フォトクロミズム / エレクトロクロミズム |
研究概要 |
本研究では、フォトクロミック分子であるジチエニルエテンを配位子として有する有機金属錯体を合成し、その光機能と金属種特有の機能の複合化をめざしている。本研究代表者らは、これまでにフォトクロミック分子であるジチエニルエテンを架橋配位子とする多核有機金属錯体が、光スイッチング可能な有機金属分子ワイヤーとして機能することを見出した。本年度は、ジチエニルエテンを配位子とする単核錯体を系統的に合成し、そのクロミズム挙動を明らかにした。その結果、単核錯体はフォトクロミズムと連動した興味深い酸化還元挙動を示すことがわかった。本知見は、高性能な分子スイッチや分子ワイヤーの創出に資する重要な知見である。また、本年度は、ジチエニルエテン骨格を有する多核遷移金属分子触媒の開発にも取り組んだ。配位子としてジチエニル-1,10-フェナントロリンを用い、そのチエニル環上とフェナントロリン部位に金属フラグメントを有する三核錯体の合成に成功した。しかし、本錯体はフォトクロミズムを示さず、クロミック挙動に基づいた金属触媒機能の制御には至らなかった。この結果は、クロミック配位子及び遷移金属錯体の構造がクロミック挙動に大きな影響を与えることを示しており、触媒の分子設計を行う上で重要な知見を得ることができた。今後は、クロミック部位に近い位置に触媒機能を有する遷移金属種を配置することによって、クロミック挙動によって反応を制御することが可能な触媒システムの開発をめざす。
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